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きっと明日も

きっと明日も

　　Ａ（部長）
　　Ｂ（副部長）

　　Ｃ（生徒会長）／Ｄ（弟）

　　放課後の教室。
　　Ａが席に着き何か読んでいる。
　　Ｂは携帯で話している。

Ｂ　うん…うん、あぁ、あるよ、それ。持ってる。え？…うーん、どうしようかなぁ…いやいやいや、出しおしみって言うか、だってあんまり出回っちゃうとさ…でしょう？　だからさ、知らない人にまで渡っちゃうのは、なんかね…うん…ごめんねー…あ、うん、それは大丈夫。だからさ、そこで止めといてくれると安心。うん、コピーとかとらないで…うん、そう…うん、ありがと、お願い…うん。じゃぁねー…

　　切って、軽くため息。

Ａ　だれ。
Ｂ　４組のひと。
Ａ　４組？　知り合い？
Ｂ　中学のときの。
Ａ　だれよ。
Ｂ　ブッチ。
Ａ　バスケ部の？
Ｂ　そうそう。
Ａ　つきあってるの？
Ｂ　まさか。
Ａ　電話してたじゃない。
Ｂ　うん。
Ａ　番号、知ってたんでしょ。
Ｂ　ちがうちがう。かけてきたのは山田さん。
Ａ　キャサリン？
Ｂ　だと思って電話に出たら、ブッチに替わってきて。
Ａ　じゃあそこがつきあってるのか。
Ｂ　そういう見方しかできないの？
Ａ　年頃ですから。
Ｂ　色気づいて。
Ａ　電話、長かったじゃない。
Ｂ　うーん…なんていうか…ビジネス？
Ａ　ビジネス？　あんた高校生でしょ。
Ｂ　みんなが幸せになれるんだからいいじゃない。
Ａ　なんのことかわからない。
Ｂ　試験問題だよ、化学の。毎年おんなじ問題なんだって、２学期のこのテストは。
Ａ　それを売ってるの？
Ｂ　模範解答つきで。
Ａ　いくらで。
Ｂ　それは、あたしが値段つけるわけじゃなく。
Ａ　だれがつけてるの。
Ｂ　ほしいひとに、自分で決めてもらってるんだよ。気持ちで決めてって。
Ａ　最高でいくらもらった？
Ｂ　（小声で）これだけ。
Ａ　５００円？
Ｂ　ちがうちがう。
Ａ　え、５０００円？
Ｂ　そうそう。
Ａ　だれよ、そんなに払うの。
Ｂ　それは言えない。
Ａ　なんでよ。
Ｂ　プライバシーに関わるじゃない、ボンタの。
Ａ　ボンタか。
Ｂ　なんでわかった。

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