捨てる女
捨てる女
二階堂美波
山口千草
雑多とした部屋。
散らかっている。
ソファなどがあると便利。
テーブルには酒の空き缶。
時間は日が変わるであろう頃。
スーツ姿の美波、帰宅して電気を付ける。
そこにはだらしない恰好でテーブルに突っ伏した千草がいる。
美波「えっ」
千草「ん・・・?あ、みいちゃんお帰り〜」
美波「ちょっと」
千草「ってか遅いよぉ〜。どのくらい待ったと思ってんのよぉ」
美波「あのさ」
千草「あんまり遅いから、冷蔵庫のお掃除してあげました〜」
美波「は!?」
千草「ダメだよ〜。一人暮らしだからってお惣菜ばっかり。あ、はい。ビール」
美波「ぬるっ」
千草「あ、ハイボールのほう良かった?」
美波「そうじゃなくて」
千草「みいちゃんハイボール好きだもんね。ねぇ、覚えてる?午後ティーのレモンのやつにハイボール入れておいたらみいちゃん全然気づかないで飲んでそのまま仕事行っちゃったもんね。帰って来た時バラしたらキレちゃってさぁ。めっちゃウケたんだけど。なんなの。」
美波「千草」
千草「怒んないで」
美波「お昼までに帰るって言ったじゃない」
千草「そう言わないと仕事手に付かないでしょ?」
美波「そこまで気遣うなら帰ってよ」
千草「えっ、冷たくない?」
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