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ハッピー・コール

ハッピーコール

遠峰心（とおみねこころ）
箱田文香（はこだふみか）
西園寺梢（さいおんじこずえ）
梢の母（声のみ）

　　　とある一般家庭の一部屋。
　　　心がいる。

文香（声のみ）「ごめんくださーい」
心　「来た！」

　　　心、去る。

心（声のみ）「いらっしゃーい、文香」
文香（声のみ）「良かった。ここで合ってたんだね。表札とかなかったから心配でさ」
心（声のみ）「まあまあ、上がって上がって」

　　　心と文香が登場。

文香「お邪魔します」
心「適当に座って」
文香「ここが心の部屋か。初めて来たけど、なんかイメージと違うかも。意外な感じ」
心「そうだろうね」
文香「それで、なんなの？」
心「え？」
文香「大事な話があるから家に来て、なんて急に言い出すなんて。何かあった？」
心「ああ、うん。実はね、頼みがあるの」
文香「頼み？」
心「私ね。これからある男の人に電話をかけなくちゃいけないんだ」
文香「電話？男の人？」
心「すごく緊張して、胸がドキドキするの」
文香「え？心、それってもしかして、ラブ関係？」
心「まあ、そんな感じ」
文香「えー？そうなの？全然知らなかったよ」
心「１人だと勇気が出ないからさ。文香に助けて欲しいの」
文香「分かった。私に何ができるかは分からないけど、力になるよ」
心「ありがとう」
文香「お礼なんていいよ。友達でしょ？」
心「じゃあ、一緒に脅迫電話、頑張ろうね！」
文香「え？」
心「え？」
文香「ごめん、私の耳が悪いのかな。今脅迫電話って聞こえたんだけど」
心「そう言ったよ」
文香「私の語彙力が乏しいのかな。脅迫って人を脅すって言う意味以外知らないんだけど」
心「脅すって意味で合ってるよ」
文香「いやいやいや！何それ？だめでしょ？脅迫って犯罪だよ、犯罪！」
心「文香、落ち着いて。脅迫って言っても身代金を要求するとかじゃないから。もっと可愛いやつ。キュート系脅迫」
文香「脅迫にそんな系統はない！ちょっと待って、あんたさっき緊張して胸がドキドキするって」
心「うん。脅迫って、やっぱり緊張するよね」
文香「男の人に電話するって」
心「ああ、それはね。ターゲットの話」
文香「ラブ関係？って私が聞いたらまあ、そんな感じって言ったよね？あれは嘘か？」
心「順番に説明するから。まずね、今回の私たちのターゲットは」
文香「私たちって何？すでに私を数に入れてる？」
心「聞いてってば。ターゲットは、うちの学校の校長先生です」
文香「校長先生？なんで校長先生を脅迫するの？」
心「それはね、私がクラブ活動をするために、ある部を作って欲しいからよ！」
文香「クラブ、活動？まさか」

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