困惑する六角形
『困惑する六角形』
脚本 カタアシイッポ
【登場人物】
高峰健 タカミネ ケン 男 エリート
蒼井樹里 アオイ ジュリ 女 引っ込み思案
森田拓郎 モリタ タクロウ 男 唯我独尊
八木真亜耶 ヤギ マアヤ 女 ぶりっこ
迫本修介 サコモト シュウスケ 男 お調子者
早川恭子 ハヤカワ キョウコ 女 ど天然
【用語補填】
吊り橋倶楽部……ベンチャー企業。「吊り橋効果」を狙った、少し危険なイベントを運営している。今回、6人はこの会社の運営するイベントに参加した。運営・管理に少々難あり。
告白カード………イベントのメインアイテム。最終日(5日目)に、全員がメンバーの中から気になる相手の名前を書き、両想いなら連絡先を交換する事ができる。封筒のような袋の中に手紙が入っている。
トランシーバー…山荘で運営と連絡をするために渡された連絡用ツール。八木が管理担当。
ぐらぐらゲーム…玩具。ぐらぐらするタワーに人形を順番に載せていき、タワーが倒れたら負けのゲーム。吊り橋倶楽部が山荘に準備していった。このほかにもいくつか準備物があると思われる。
【死者のルール】
①死者は、存在すると信じ込んでいる物は、実在するか否かに関わらず認識することが出来る。
願えば出てくるのではなく、あると思い込んでいる場合にのみ、認識が可能。他の死者にはそ
れが見えないが、その物の名称を聞いた瞬間から認識できるようになる。その際、記憶が改ざ
んされ、少しの違和感のみが残る。
②死者は、目的達成の害となる記憶が消滅する。
遭難して死亡したという事実は忘れているが、自分が何者であるかは覚えている。
③死者は、生者と逆の行動を取る。
生者と逆の存在である彼らは、逆拍手やコップをさかさまに置くなど、不可解な行動を取る。
【2017年 2月5日 1:00】
舞台は山荘のリビング。
部屋の地面に開閉可能な扉があり、床下収納になっている。
床下収納の上にカーペットが敷いてあり、床下収納の扉は見えなくなっている。
部屋の中には、L字型のソファ、机や棚、日めくりカレンダー、食器棚などが設置されている。
それらは元から山荘にあったものと、吊り橋倶楽部が用意したものが混じっている。
舞台上で特に目立つのは、ティッシュ箱より少し大きいくらいの箱。
告白カードが入っていた箱だ。
部屋にはカーテンがかかった大きな窓があるが、はめ殺しの曇りガラスのため、外を見ることができない。
部屋からはキッチンに続く通路と、奥へ続く通路の二つがあり、
奥へ続く通路の先には各々に用意された小さな部屋とシャワー室、玄関がある。(舞台からは見えない)
また、リビングにはひとつ扉が設置されており、そちらはトイレに繋がっている。
机は壁に立てかけてある。
舞台上に六人の男女がいる。全員、神妙な面持ちで告白カードを持っている。
早川、全員を見渡して。
早川 ……書けましたか?
皆 (うなずく)
早川 えーと、どこに入れておきます?
迫本 あ、こことか、どうすか!
迫本、床下収納のそばへ寄り、カーペットをはがす。。
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