ナナイロ(桜)
「桜」

登場人物
・サンゴ
・サクラ




夕暮れ時、一台のタクシーが止まっている。
そこへタクシー運転手の青年、サンゴがタクシーに戻ってくる。

サンゴが運転手席へ乗り込もうとすると。

サクラ(声)「すみません」

サンゴは声の方を向く。
そこには綺麗な服を着て花束を持つ女性、サクラがいる。

サンゴ「はい?」
サクラ「タクシー、乗っても大丈夫ですか?」
サンゴ「はい、どうぞ」
サクラ「ありがとうございます」

サクラ、タクシーに乗る。
それを確認してサンゴも運転席に乗り込む。

サクラ「すみません、お邪魔してしまって」
サンゴ「え、何がですか?」
サクラ「だって、休憩中だったんじゃ」
サンゴ「あぁ大丈夫ですよ。もう済ませてきてますから」
サクラ「(ほっとして)そうですか。良かった」
サンゴ「それでお客さん、どちらまで?」
サクラ「あぁ、朱華(はねず)町の7丁目のあたりまで、あとは近くまで行ったら」
サンゴ「わかりました。(カーナビに入れる)朱華町7丁目……と。このまま大通り側を走っていくので大丈夫ですか?」
サクラ「はい、大丈夫です」
サンゴ「はい。じゃあ出発しますね~」
サクラ「よろしくお願いします」

タクシーが走りだす音。

サンゴ「今日は何されてたんですか?」
サクラ「ああ、お買い物です。お洋服とか」
サンゴ「いいですね」
サクラ「他にもいろいろ買いそろえたいものがあったので」
サンゴ「なるほど」
サクラ「それ以外にも、百均のお店にも行ったりとかして」
サンゴ「あぁ、今じゃ百均のお店でもいろんなもの買えますもんね」
サクラ「本当に。便利なものいっぱい置いてあって楽しかったです」
サンゴ「いいですよね。僕もいくつか使ってます」
サクラ「ね。お買い物してると、ついつい予定にないものまで買っちゃうんですよ」
サンゴ「あぁ確かに。(花束に気づいて)あ、そのお花も」
サクラ「あぁ。あは、これは少しちがくて」
サンゴ「じゃあ、どなたかにプレゼントですか?」
サクラ「まぁ、そんな感じなんですけど……このお花、いつもお花に詳しい知り合いからもらっていくんです。それで、その日お世話になった方に渡すようにしているんです」
サンゴ「(少し驚く)へぇ。それは、ご家族やお友達以外にも、なんですか?」
サクラ「もちろん。今日はありがとうございましたって、感謝を込めてお渡しするんです」
サンゴ「うん」
サクラ「お花って、幸せを呼び込んでくる気がするんです。だから、私から皆さんへの幸せのおすそ分けっていうのもあります」
サンゴ「……(ぼそっと)お客さん、少し変わってますね」
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