Novelist
Novelist   作・小田春

時間:約30分
人数:3人








   A、筆者を演じる。B、滝田蓮美を演じる。C、雪村燦太を演じる。

筆者が現れる。

筆者   「『雪の子』。滝田蓮美」

筆者、本を開く。
作中の人物、「雪村燦太」と「滝田蓮美」が現れる。

筆者   「はじめに。この作品は、俺を殺そうとしたとある男に復讐するために書かれたものである」

場転。作中。

筆者は登場人物たちを静かに眺めている。

人気の無い公園。雪が積もっている。

雪村が眠っている。
滝田、雪村を軽く蹴る。

滝田   「おい馬鹿。何してる」

雪村、目を覚ます。

雪村   「…おお。滝田。おはよう」
滝田   「おはようじゃない。そんな薄着で、こんな雪の日に、何してるって聞いてるんだ」

雪村、答えようとして激しく咳き込む。
滝田、呆れながらも心配している。

滝田   「おい」
雪村   「…寝てたさ。見たら分かるだろ?」
滝田   「それは寝てたんじゃなくて死にかけてたんだろうが」
雪村   「こえー」
滝田   「はあ…。ほら起きろ。コーヒーぐらい奢ってやる」
雪村   「ほんと?」
滝田   「ああ」
雪村   「じゃあ、ちょっと高いのでもいい?」
滝田   「ああ」
雪村   「あ、やっぱりコンポタがいい。ねえ、滝田」
滝田   「何でもいいから早く起きろ。お前、怖いくらい真っ青だぞ」
雪村   「あはは」
滝田   「笑い事じゃない」

雪村、起き上がろうとして倒れる。

雪村   「あれ」
滝田   「どうした」
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