TATENORI
TATENORI 作:出囃子小林
満(みつる)女
龍一(りゅういち)男
綾芽(あやめ)女
♪ココロオドル /nobodyknows+
明るいミュージックが爆音で鳴り響く
開幕
薄暗い部屋。中央に敷かれた布団。
散らかった勉強机、椅子。
壁に制服が掛かっている。
布団の周りにはカップラーメンのゴミや脱ぎ散らかした服で足の踏み場もない。
ゴミ箱からはゴミが溢れている。
満、布団で寝ている。
満、手を伸ばしてスマホから流れるアラーム(音楽)を止めて、また眠りにつく。
また爆音でココロオドルが流れる。
満、鬱陶しそうに音楽を止めて、眠りにつく。
またまた爆音でココロオドルが流れる。
満「ああもううるっさい!!!!」
スマホをぶん投げる。
満「はぁ、はぁ、はぁ。」
沈黙
満、カーテンを少しめくる。そしてまたカーテンを閉じる。
壁にかかった制服を見る。何かをためらう満。
そして意を決したように制服を手に取り、椅子のところまで持ってくる。
着替えようと、羽織っていたパーカーを脱ぐ。
そしてシャツを手にした時、両手首の血の滲んだ絆創膏が剥がれそうになっていることに気がつく。
それをしばらく見つめたあと、絆創膏を剥がし、ためらいながらも勉強机の上のカッターナイフを手に取る。
そして、小さな声をあげ、手首を横に切る。
間
どこか満足したような、しかしどこか満たされないような表情でそれを見つめている。
その後、カッターナイフを置いて、ため息をついて制服を丸めて投げ捨てる。
そして、布団を頭までかぶる。
♪ココロオドル
暗転
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