Oneday To Someday 第一話
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「久し振り」って声を掛けられて「うん」って返事をした。
自分でも会話が下手だと思う。
「うん」じゃ話題は広がらない。
次の言葉を探している間に、彼女は他の人に呼ばれた。
同窓会を最初に提案した彼女は幹事になって忙しい。
昨日は眠れなかった。
…という事もなく、朝の電車に備えて早く寝た。
そして夢を見た。
彼女と話すようになったのは委員会が同じだったから。
始まりにそれ以上の理由はなかった。
帰りが遅くなった時は彼女を家まで送るようになった。
途中からそれ以上の理由が生まれた。
二人で歩く姿を誰かに見られたらどうしようという気持ち。
むしろ見られて二人は特別な関係なんだと思われたい気持ち。
矛盾する二つの気持ちを押し込めるには一つの心臓じゃ足りなかった。
胸が痛くて、喉が熱くて、言葉に詰まって、余計に会話が下手になった。
それでも言いたい言葉があった。
何年も思い出さなかったのに、一晩の夢でその感覚まで全部鮮明に取り戻した。
あんなに精一杯になれる経験、今までの人生で他にあったかな…。
何かに追われて余裕がなくなるのは何度もあった。
むしろ社会に出てからはずっとそうだった気がする。
そういう逃げたくなる苦しさじゃなくて、追い掛けたくなる様な大事な…。
今日は彼女からの連絡を受けて参加した。
未来を変えたかったのか、過去に縋りたかったのか。
自分でもまだ分からない。
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思い出のいつかから、夢見るいつか。
written@2023
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歌い手ライブのリーディングパート台��
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