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今日も明日も

「今日も明日も」
縄島フミカ　
縄島アヤコ　
弥沢セイヤ　
飛田コトリ　
弥沢ナリヤ　
フミカとアヤコの母　
花屋の店員　　　　　

　家のリビング。フミカとアヤコは机に座っており、母は出かけようとしている。

母　　　「じゃあ、お母さんいってくるからね。帰りはそんなに遅くならないようにす
　　　　　るから」
アヤコ　「はーい。いってらっしゃーい（手を振る）」
フミカ　「……」
母　　　「フミカ、昼ご飯は冷蔵庫に入ってるからチンして食べてね」
フミカ　「……早くいけば？」
母　　　「はいはい。じゃあ、いってきますよ」

　母、ハケる。

アヤコ　「お姉ちゃん、お母さんに対して酷くない？」
フミカ　「別に。だっていちいちうるさいし」
アヤコ　「またそんなこといって。お母さん、日曜日なのにお仕事に行ってるんだよ？」
フミカ　「だから？給料もらってるんだからそりゃ働くでしょ」
アヤコ　「そういうことじゃないでしょ！…今日、何の日か知ってる？」
フミカ　「なんかあったっけ？ただの日曜日でしょ？」
アヤコ　「（カレンダーをさして）５月の第２日曜日！母の日じゃん！」
フミカ　「あー…そうだっけ？」
アヤコ　「そうだよ！母の日なんだから、お母さんに何かしなきゃ。お手伝いするとか
　　　　　ー…（思いついたように）あっ！カーネーション買うとか！」
フミカ　「カーネーションねぇ…あれってただの花屋の陰謀でしょ？」
アヤコ　「違うよ！日頃の感謝の気持ちを花に乗せるの！」
フミカ　「アヤコさぁ、それバレンタインの時も似たようなこと言ってなかった？『好
　　　　　きな人への気持ちをチョコに乗せるの』って。あれも結局はお菓子会社の陰
　　　　　謀じゃん。大体、『ありがとう』なんていつでもいえるのにわざわざ今日言
　　　　　わなくてもよくない？」
アヤコ　「じゃあ、お姉ちゃんはちゃんといつもお母さんにありがとうって言ってるの？」
フミカ　「いうわけないでしょ。思ってないし」
アヤコ　「もーダメじゃん！（立ち上がって）決めた。今日は今からカーネーションを
　　　　　買いに行こう！そしてそのあとは家の掃除と夕食を作るの！」
フミカ　「へー大変そうだね。頑張って」
アヤコ　「お姉ちゃんもするの！」
フミカ　「は？何で私が…」
アヤコ　「いいから！お姉ちゃん、この前私のアイス勝手に食べたでしょ。私あれまだ
　　　　　怒ってるんだからね」
フミカ　「うわっ…。だからあれは今度別のアイス買ってあげるって言ったじゃん」
アヤコ　「アイス買わなくていいから、一緒にカーネーション買って。それで許してあ
　　　　　げる」
フミカ　「えー……」
アヤコ　「ほら！さっさと行こう、ぐいぐい行こう、どんどん行こう！」

　アヤコ、フミカを立たせて背中を押す。

フミカ　「めんどくさいなあ…」

　フミカとアヤコ、ハケると同時に中割が閉まる。
　セイヤが何かを探すように入ってくる。

セイヤ　「あれ…？こんな道だったっけ…？」

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