いまわの際の父
『いまわの際の父』
作・大盛り
父 ♂：病室で息を引き取りかけていたが、家族に無茶苦茶な告白をされて心拍数が急上昇。ツッコミまくる。
母 ♀：長年不倫していたこと、内緒で父に生命保険をかけていたことを告白する。
健太♂：息子。医者志望だったが挫折し、バンドマンとして活動していた。父はバンドマンになることに猛反対し、そのことが原因で勘当されていた。
風香♀：娘。母とは違う方向性のドえらい告白をする。家族のことは大好き。
医者♂：長年母と不倫していた。ヤブ医者。
とある病院の病室。
父、病室のベッドに横たわって今まさに息を引き取りかけている。
3人、ベッドを囲んで立っている。
医者：奇跡的に目を覚ましました。
おそらくお別れを言える機会はこれが最期かと。
母：はい……！わかりました……！
風香：お父さん！お父さん！
父：ゴホッ！ゴホゴホ！……うぅ……お前たち……。
母：あなた！
風香：お父さん！
父：俺は……もう……死ぬ……。
母：あなた……！私たち側にいるからね。大丈夫だからね。
風香：ううぅ……お父さん……。
父：最期に……伝えたいことがある……。
医者：心拍数が徐々に下がっています。
母：何？どうしたの？
風香：私たちちゃんと聞いてるから。
父：健太のことを……よろしく頼む……。もう許したと……伝えてくれ……。
母：わかった！健太に伝えるわ！
風香：お兄ちゃんも本当はお父さんのこと大好きだからね！私わかってるから！
父：ああ……。みんなのおかげで……幸せな人生……だった……。
母：あなた！
風香：お父さん！
父：みんなありがとう……。
医者：心拍数……下がり続けています……。これはもう……。
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