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作業データ消滅案件

「作業データ消滅案件」

　　登場人物

　　センパイ
　　コウハイ

センパイ：ヤバーイ！
コウハイ：どうしたんですか？そんな大声出して。
センパイ：今日の作業分、間違えて昨日のバックアップデータで上書きしちゃった……。
コウハイ：なにやってんですか！あんだけ毎日「間違えてデータを消さないように気を付けよう。」って自分で言ってるくせして！ほんと勘弁してくださいよ！
センパイ：ホントごめん！コウハイ君、残業一緒に残ってくれる？
コウハイ：俺は知りませんよ！一人でどうにかしてくださいよ！
センパイ：待って！ほんとごめん！納期再来週だから！もう間に合わないから助けて！今度焼肉おごるから！
コウハイ：焼肉なんかで人が釣れると思ったら大間違いですよ！もー仕方ないですね。今日は2時間だけ残業付き合います。そんで来週月曜火曜水曜も残業2時間で今日の分取り戻しましょう。はぁー今日は早く帰りたかったのに。
センパイ：なんだ彼女か！？
コウハイ：違いますよ。今日が何曜日だと思ってるんですか！金曜日ですよ！華の金曜日！今日は帰ったら朝までケーキ食べまくる計画があったんですよ！あーもうホントひでぇ！
センパイ：そんなんだからモテないんだよ。若いんだからもっと青春を謳歌しなさいよ。
コウハイ：なんだと！？誰のせいで残業する羽目になったと思ってるんですか！
センパイ：すみません。
コウハイ：だいたい人が早く帰ろうとするたびに「女か？」って聞くのやめてください。センパイだってことあるごとに聞かれた嫌でしょう？
センパイ：いやもしかしたら明日には俺に彼女ができてる可能性があるかもしれないし？0％とは限らないし？
コウハイ：そんなこと言ってないで手を動かしてください。終わるものも終わらないでしょう！
センパイ：はい、すみません。でも聞いてくれよー。開発できて保守運用もして営業もできる俺がモテないわけがないんだよ。
コウハイ：出ましたセンパイの自分語り。そんなこと言ったらセンパイより仕事できる部長は今頃ハーレム状態ですよ。独身の現実を受け入れてください。

職場の隅っこにいた部長が泣き出す。

センパイ：ちょっとコウハイ君、声デカいよ！部長泣いちゃったじゃん！
コウハイ：知りませんよ！
センパイ：でもまぁ、営業とかも大変でさぁ、先方にガミガミ言われちゃうと俺も部長もメンタルやられちゃうんだわ。この間行ったお客さんからは「次納期が遅れたら切らせていただく可能性があります」って言われちゃってさ。
コウハイ：なんですって？いつも変な発注かけてくるのはどっちだか！あんなブラック企業どうせ毎日22時まで残業してそうだから俺ちょっとこれから文句言って来ますよ！
センパイ：ちょちょちょ待って落ち着いて！俺は大丈夫だから！
コウハイ：なにいってんすか？もしそのお客さんのせいでセンパイが体調壊したら被害被るのは俺なんですよ！一発ガツンと言ってやる！
センパイ：分かった分かったから！今後そのお客さんから仕事を取らないようにするから落ち着いて！
コウハイ：はぁー。分かりましたよ。とりあえず今はこれを終わらせないとですね。

～2時間後～

コウハイ：よぉし、切りよく終わりそうですね。それじゃあ俺はそろそろ帰ります。センパイもあまり遅くまでいたら体調悪くしますよ。
センパイ：心配してくれてるの？コウハイ君優しい。
コウハイ：来週はほぼ毎日残業が決まってるんです。さっきも言いましたが、センパイが体調壊したら被害被るのは俺なんですよ。
センパイ：おう。
コウハイ：あと、今回の件が済んだら今度焼肉行きましょう。
センパイ：おう！

　　　End

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