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終末教室

水橋　都樹矢（ミズバシ　トキヤ）２６歳　元野球選手。事故でケガで引退する。片腕がマヒしている。それ以来自暴自棄になり現在は無職。なんにでも否定から入る。
松原　辰三（マツバラ　タツゾウ）６７歳　元有名作家。自分の作品を書くことに意味をなくし、５年間作品を書いていない。
白石　碧（シライシ　アオイ）１６歳　中学生の時、両親からの虐待を受け保護。現在は施設で暮らしている。強がり
禿　秋良（カムロ　アキラ）３２歳　３年前に会社が倒産。それ以来就職していない。いままで３度自殺を試みたが失敗している。余計なことをいって相手を怒らせることがある。
汀　陽介（ミギワ　ヨウスケ）１６歳　余命１年を宣告された男子高校生　小さい頃に両親に捨てられ施設で育つ。思ったことをそのまま口にしてしまうところがある。

桜井　幸江（サクライ　ユキエ）３０歳
終末教室（シュウマツ　キョウシツ）先生。記憶障碍者で１日しか記憶が持たない。

「終末教室」

専門学校や塾のような教室。下手にホワイトボード、机が５つ前から、順に２・２・１で並べられている。下手奥からアオイ、
タツゾウ、トキヤの席。手前側下手から空席（ヨウスケ）、アキラ。

明転　
タツゾウ、トキヤ、アオイ、アキラ、それぞれ自分の席に座っている

アキラ　タツゾウさん聞きました？また、私たちの担当教員変わるそうですよ。
タツゾウ　ああ、知ってるよ。よい先生じゃったのにかわいそうじゃのー
トキヤ　何回目だよ。やる気あんのか？
アキラ　仕方ありませんよ、僕たちにやる気がないんですから。
アオイ　精神病らしいわね。
アキラ　まあ、そうでしょうね。この前なんて体調崩して途中で帰っちゃいましたし。日に日に、やつれていってましたからね。
タツゾウ　わしらみたいな人間の相手をしておったらだれでも心を病むわい。
トキヤ　だーからこんな教室必要ないんだって、ほっときゃいいのよ、生きてても仕方ないんだから。
アキラ　僕たちを更生するどころか僕たちみたいな人を逆に増やしちゃってますもんねー
タツゾウ　まあ、仕方ないじゃろ。ここには、ほっといたら死にそうなものや下手をすれば人を殺しかねんやつしかおらんのじゃから。
トキヤ　人殺しはそこのｊｋだけだろ。
アオイ　なに？あんたも殺されたいの？っていうかまだ殺してないし。
トキヤ　ああん？片腕とはいえ、てめえ、みたいなガキごときならぼこぼこにするぞ。
アオイ　へーやってみる？
アキラ　やめなよ。二人とも。二人が暴れたら、また監視が、増えちゃうんですから。
　ドアに人影。
タツゾウ　噂をすればなんとやら
アキラ　まあ、時間ですから来るのは当たり前なんですけどね。

ユキエが入ってくる。
手にはノートが数冊。

ユキエ　おはようございます。意外と皆さん仲良しで驚きました。
トキヤ　この女、目大丈夫か？
アオイ　眼科いった方がいいんじゃない？
タツゾウ　喧嘩するほど仲がいいとはよく言うからのう。
アオイ　おじいちゃん、そろそろぼけ始めちゃったのかしら。
早く死んだほうがいいんじゃない？
ユキエ　アオイさんはおしゃべりなんですね。
アオイ　なんでそうなるのよ。
ユキエ　それにしてもよく私が先生だとわかりましたね。
アオイ　いや、当たり前でしょ。ここに来るの私たちか、先生ぐらいですから。
ユキエ　そうなんですか。あ、そういえばそう書いていました。
アキラ　なんか変わった人ですね、たつさん。
アオイ　ただの変人でしょ。
タツゾウ　それで、誰じゃ、あんたは？
アオイ　やっぱりぼけてる！？
アキラ　今のは、名前を聞いたんだと思うよ。
アオイ　わかってるわよ。
ユキエ　うふふ。今日は楽しい日になりそうです。
　　　　では授業を始める前に、皆さんに新しい仲間がいますのでそちらから。
ヨウスケ入ってくる。

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