ナナイロ(蜜柑)
「蜜柑」
キャスト
・カゾウ
・ミカン
深夜。ある家の一室。
メガネをかけた女性が机に向かって何かを書いている。ミカンである。
そこへ夜食(おにぎりが望ましい)を持って一人の男性が入ってくる。カゾウである。
カゾウ「(机に置いて)はい、先生」
ミカン「(気づく)ありがとうございます」
カゾウ「いいえ」
急にミカンの筆がぴたりと止まり、ミカンは頭を抱える。
ミカン「うぅー……書けないー!」
カゾウ「えぇ?」
ミカン「あと、あと少しなんですけどっ……!」
カゾウ「(少し呆れ)先生、もう締め切り明日なんですよ?」
ミカン「はい」
カゾウ「今更そんなこと言ってどうするんです」
ミカン「でも……」
カゾウ「(遮って)ここは先生の踏ん張りどころじゃないんですか」
ミカン「でもぉ……」
カゾウ「「でも」「でも」言わないでください。明日は必ず来ますんで」
ミカン「うわぁそのセリフ、今聞くと絶望感ありますね」
カゾウ「わかったら書いてください」
ミカン「はい……」
ミカン、机に向き直る。カゾウは近くにある椅子に座る。
ミカン、カゾウからの視線を感じる。
ミカン「あのぉ……」
カゾウ「はい?」
ミカン「なんでいるんです?」
カゾウ「いや、まぁ、監視的な」
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