ご先祖様
ご先祖様
[登場人物]
高本(男)
霊能者(男 or 女)
ご先祖様(男)
ドアの外。
高本はチラシを見ながらつぶやく
高本: 「ご先祖様と会話をします」……か。先祖の霊と話ができるなんて面白そうじゃん。俺の先祖ってどんな人なんだろう。農民か?いや、戦国時代の武将だったりして
高本、店に入る
高本: すみません。予約していた高本です
霊能者: 占いの館ペオースへようこそ。高本さんですね、どうぞこちらへ
椅子に座る
霊能者: 今日はどういった理由で
高本: はい。自分の先祖と話ができると聞いて
霊能者: ええ、可能ですよ。十分コース、二十五分コース、四十五分コースの三種類がありますが
高本 :四十五分だとおいくらぐらい……
霊能者: 四万五千円です
高本: たっかっ……!?? あっ、結構なお値段ですね……
霊能者: はい。でも、私たちは霊を司る力を多く消費しますので
高本: じゃあ十分コースは
霊能者: 二千円です。これでも、当店はかなりお安い方でして
高本: たった十分で二千円……ま、まあ、でも滅多にない機会だし。じゃあ十分のコースで
霊能者: かしこまりました
高本: これって、霊が憑依するみたいな感じなんですか?
霊能者: いえ、この場所にご先祖様の霊を呼び寄せます
高本: あっ、こっちにきてくれるんですね
霊能者: はい。ご先祖様がいらしたら、私が彼らと心を通じ合わせ会話をいたします
高本: おお
霊能者: ご先祖様からお話を伺ったり、逆にお客様からご先祖様に想いを伝えていただいたりすることもできます
高本: 良いですね
霊能者: では、十分コースを始めます。霊が降りてくるまで、お静かに願います
霊能者は祈りの儀式を始める
高本は目をつぶってそれを静かに聞いている。
霊能者: キエエーーー
高本、ビビる
ご先祖様、真顔で登場。
ご先祖様は貫頭衣のようなものを着ており、首には勾玉のネックレス、腕には腕輪と玉のブレスレットをしている。片手には壺形の土器を持っている。
霊能者: ようこそ、おいでくださいました
霊能者はご先祖様に挨拶をする
霊能者: 高本さんも、もう緊張を解いていいですよ。今こちらに、ご先祖様がいらっしゃっています
高本は静かに目を開け、二度見する
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