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コテキタイ

「コテキタイ」　　作　玄崎尭（げんざきぎょう）

登場人物
・男Ａ
・男Ｂ

　　　　　　　　夜。
　　　　　　　　アパートの一室。
　　　　　　　　誰も姿が見えない中呼び鈴が鳴る。

男Ｂ　　　（声のみで）はーい。

　　　　　　　　だが、男Ｂ、なかなか出てこない。
　　　　　　　　すると、扉をドンドン叩く音が響いてくる。

男Ａ　　　（ドア越しに声のみで）オイ開けてくれ、頼む！！至急！マジで！

　　　　　　　　すると男Ａの声がする反対側から、男Ｂがうざったそうに出てくる。

男Ｂ　　　なんだぁ一体…？はいはい、今出ますよ〜。

　　　　　　　　男Ｂが袖まではけ、扉の鍵を開ける音がすると、
　　　　　　　　男Ａが飛び出してきてしっかと男Ｂの両肩を掴む。

男Ｂ　　　なっ…！？

男Ａ　　　（激しく息が上がったまま）突然で悪いが、かくまってくれ！
　　　　しばらくの間でいいから、頼む！！

男Ｂ　　　ちょっとお前、待ておい！！

　　　　　　　　男Ａ、男Ｂのことなど一切構わず、勝手に上がって座り込む。

男Ｂ　　　…なんなんだよ、ったく……。

男Ａ　　　……（息が荒い）。

　　　　　　　　呼吸も整っていない様子の男Ａ。
　　　　　　　　仕方なく男Ｂ、一旦部屋の奥へはけ、飲み物を出して男Ａにやる。

男Ｂ　　　ほれ。

男Ａ　　　あ、あぁ。

　　　　　　　　冷たい飲み物を飲み干し、ようやく落ち着いてくる男Ａ。

男Ｂ　　　落ち着いたか。

男Ａ　　　なんとか。…サンキュ。

男Ｂ　　　…で、どうしたんだ今日は。いきなりかくまえって……。
　　　　あ、先に言っとくが金なら貸さないからな。

男Ａ　　　……いや、金融屋さんに追われてるんだったらそっちの方がどれだけマシか…。

男Ｂ　　　…おいまさかお前、〝ヤ〟のつく人達とかじゃないだろうな。勘弁しろよ？

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