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会議

　「企画会議」
　　　　溝口（司会）が資料を見ている。高橋が来る。

高橋　　溝口。早いな
溝口　　お疲れ。進行だからさ。徹夜なんだって？
高橋　　橘部長拘るから。まとめるのに時間くっちゃったよ。でもお陰で（資料を見せる）
溝口　　今日の企画会議はばっちりだな。
高橋　　（笑）だといいけど。
溝口　　部長は？
高橋　　電話してた。なな、小湊産業の見積もり取った？
溝口　　取った取った。やっぱあれだな。ちょっと上がったな。小湊産業。
高橋　　やっぱりか。ＩＳＪも先月上げたしな。
溝口　　これだとコトブキも近々合わせてくるぜきっと。
高橋　　外資も乗り出してるしなぁ。三枝おせーな。
溝口　　あいつ空港にいるんだろ？
高橋　　空港？何で？
溝口　　さっき電話があって、なんかボーイングがどうのこうのって言ってたぜ。
高橋　　出張てこと？
溝口　　出張の予定なんかないだろ。その件は博臣に任せてあるんで。よろしくお願いしますって。
高橋　　博臣？誰のこと？
溝口　　全然意味わかんねー。

　　　　部長が来る

高橋　　あ、部長。
部長　　お待たせ。
高橋・溝口　お疲れ様です。
溝口　　（資料渡しながら）すいません。三枝がまだ・・・。
部長　　ああ聞いてる。大丈夫だ。
高橋　　そうなんですか？
溝口　　小湊産業も上げてきたみたいですね。
部長　　そうなんだよ。今もクライアントとその件で話しててさ。
高橋　　小暮工業ですか？
部長　　あぁ。あっちもそれでバタついてるみたいだ。ほらっ外資も乗り出してきたろ？
溝口　　今、高橋ともその話を。
部長　　うちも次の一手を考えないとな。いつまでも胡坐はかいてられない。
溝口　　そうですね。
部長　　この企画もその一環だから。社運がかかっていると言っても言い過ぎじゃないだろう。気を引き締めてとりかかろう。
高橋・溝口　はい。

　　　　　高橋、溝口定位置につく。溝口、あらためてという感じで。始める。
　　　　　礼をする溝口。それに合わせて部長、高橋も軽く頭を下げる。

溝口　　それでは７月にオープンする「どじっ娘喫茶～お兄ちゃんの腕枕」の企画会議を始めます。「お兄ちゃんの腕枕」はどじな女の子「どじっ娘」と「妹」をコンセプトにしたバラエティカフェです。この２つの要素をミックスさせることで、「メイド喫茶」に代表される従来型の「バラエティ喫茶」との差別化を図ります。具体的には、お客様ご来店時、ランチタイムには「ふわぁ～おはよう」ディナータイムでは「行ってらっしゃい。おにいたん」でお迎えします。
部長　　言い間違えをするわけだな。
溝口　　はい。その際、間違えたあとは、（やりながら）コメカミを叩きながら「また、間違えちゃった」とベロを出して訂正します。
部長　　テヘペロか。
溝口　　テヘペロです。
部長　　悪くないな。（メモを取る）
溝口　　まず「どじっ娘」要素ですが。お兄たんご案内時、何もない所で転びます。
部長　　ドジの基本だな。
高橋　　転び方は激しいんだろう？
溝口　　擬音語にすると「ビタン」という感じです。
部長　　「ビタン」だな。
溝口　　なお、転んだあとは極度の涙目になりますが、この際に涙が流れるのはペナルティとしています。
部長　　泣きそうで泣かないところに「萌え」があるからな。よく勉強してるじゃないか。
溝口　　ありがとうございます。次に、調理場からは絶えず食器の割れる音がします。
部長　　設定はどのくらいにしてる？
溝口　　１オーダーごとに４ダースの皿が割れます。
部長　　（ちょっと考えて）７ダースにしよう。

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