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謎は全て解けた

謎は全て解けた

マツバ　　探偵。
ノムラ　　助手。
ツバキ　　警察。

　舞台明転。ノムラが舞台中央に立ってナレーション。
ノムラ　　あ、皆さん初めまして。僕、ノムラと言うものです。探偵助手をしております。
　　　　あちらに…あ、こっちか。あちらに座ってフリーズしていますのが、
　　　　名探偵のマツバさんです。…でですね、まぁざっくり説明しますと、
　　　　僕達は今いわゆる“クローズドサークル・陸の孤島”、のような場所で
　　　　連続殺人事件に巻き込まれまして、…ええそうです。皆さんどうかそのまま、
　　　　この場所から外部に通じる唯一のトンネルだか橋だかが封鎖され、
　　　　外部との連絡もできない、少し不気味な洋館みたいなのを想像しておいて下さい。
　　　　…そんな状況ですから、「たまたま」この場に居合わせたマツバさんと僕、
　　　　それと僕達の知り合いの刑事さんの3人で捜査を進めていた、というわけです。
　　　　時間も無いので、早速解答編に移りましょう。
　　　　犯人は一体誰なんでしょうか。そして、一体どんなトリックを使ったんでしょうか。
　　　　マツバさんの見事な謎解きを、是非その目で見てみて下さい。
　　　　…………すみませーん。照明さん。１回消してくださーい。
　一時暗転。明転すると、ノムラは寝ている。
マツバ　　おーい、おーい。…おーい、起きなさい。
ノムラ　　 …ふわぁ…あ、すみません…寝てましたか、僕？
マツバ　　ああ、しっかりとな。
ノムラ　　すみませんでした。…でも今３時ですよ、マツバさん。今日はもう寝ませんか？
マツバ　　いや、何としても今夜のうちに犯人を見つけ出さないと、
　　　　事態はさらに深刻なものになる…と私の黄土色の脳細胞が訴えている。
ノムラ　　地味な色だなー。普通は灰色とかでしょ。ホームズは緋色ですけど。
マツバ　　ホームズ…？誰だねそいつは。
ノムラ　　ええ、知らないんですか。ホームズを！？探偵を気取っている貴方が！？
マツバ　　いや、知らないなぁ…一体誰なんだ。ワトソン君、教えてくれ。
ノムラ　　知ってるじゃねえか！失礼。知ってるじゃないですか！
マツバ　　冗談だよ。落ち着きなさい、ワトソン君。
ノムラ　　僕の名前はノムラです。
マツバ　　落ち着きなさい、ノムラ・ワトソン君。
ノムラ　　そういうことじゃねえ！
マツバ　　とにかく、これ以上被害者を増やさないためにも、
　　　　何としても今夜中に犯人を見つけ出さなくてはならないんだ。
　　　　寝てる暇なんて無いよ。
ノムラ　　そうですね…これまでだけでも多くの人が犠牲になってますからね。
マツバ　　ああ、…キドさんが刺殺。シメキさんが毒殺。クボサカさんが溺殺。
　　　　イチノヤマさんが撲殺。
ノムラ　　チョウソカベさんが圧殺。ヒガシナツガワさんが絞殺。
　　　　サエモンサブロウさんが斬殺。。ミナミジュウジョウさんが焼殺。…ですよね。
マツバ　　ワトソン君、被害者の名前を間違えてはいけないよ。
ノムラ　　ノムラですってば。僕、何か間違えていました？
マツバ　　間違えていたさ。まず、ヒガシナツガワさんではなく、ヒガシナツカワさん。
　　　　サエモンサブロウさんではなく、サエモンザブロウさん。
　　　　そして、ミナミジュウジョウさんではなくミナミジュウニジョウさんだ。
ノムラ　　そんなこと言ったら、マツバさんだって。クボサカさんって言ってましたよ。
　　　　本当はクボザカさんなのに。
マツバ　　チッチッチッ。あの人の本名はクボサカだ。彼は偽名を使っていたんだよ。
ノムラ　　偽名ってそんな似てるものでいいんですか！？…それに、「彼」？「彼女」では？
マツバ　　ああ。クボサカさんは多重人格者でね。
ノムラ　　ややこしすぎる！
マツバ　　とにかく、私がついていながら被害者があまりにも多く出すぎた。
ノムラ　　マツバさんはもうどのくらいまで謎が解けているんですか…？
マツバ　　ほとんど解き終わっている。あとは犯人のミナミジュウサンジョウさんが…
ノムラ　　ちょ、ちょ、ちょっと待って。失礼。待ってください。
　　　　犯人、ミナミジュウジョウさんなんですか？

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