全日本悪口選手権
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  ・罵里 口汚(ののしり くちお)...主役。
  ・我田 引水(がでん いんすい)...前座メガネ。メガネ。
  ・道断 言語(どうだん ごんご)...前座。年上。
  ・罵詈 言雑(ばり ごんぞう)...主役。
  ・広井 露韻(ひろい ろいん)...応援役。
  ・実況(声)...実況。
  ・師匠(豊田 威銀)...師匠。
 
  ※補足...別に叫びは忠実に読む必要はない。
  
  1.【第 1 試合・我田引水】
  ノノシリとガデンが距離をとって向かい合っている。広井がノノシリの後ろで見守ってい る。
  ノノシリがハチマキを締める
 
  実況「さあーついに始まりました!第 10 回全日本悪口選手権、開幕です!第 1 試合は貶輝 学園(けなしてるがくえん)高等部二年、ノノシリクチオ選手、対するは、文句垂高校(もん くたれこうこう)二年、ガデンインスイ選手!実力派の二人による、白熱した勝負が期待さ れます。」
  ガデン「データによれば、私が勝利する確率...96%...フン...君のような悪口使いに、私の相 手が務まりますかね...?」 ノノシリ「どうだかな。どっちが勝つかなんて、やってみるまで分かんないだろ?」
  広井「頑張って!ノノシリくん!」
 
  ノノシリとガデンが近づき、睨み合う
 
  実況「皆様のために、改めてルールを説明しましょう。本大会はトーナメント制、8 人の口 汚い選手達が、優勝を目指して相手をののしります。ルールは簡単。悪口を相手に叫び、相 手がたまらず白旗を挙げれば勝利です。さあ、そして今まさに先攻後攻を決める睨み合いが 行われています。両選手どちらかが腰を抜かした時点で睨み合いは終了、先行後攻が決まり ます。」
  ノノシリ「うおおおおお」
  ガデン「ひ、ひええええ!」
 
  ガデンが腰を抜かして倒れる
 
  実況「倒れたのはガデン選手!よって、先攻はノノシリ選手です!」
  
 
  広井「すごい...ノノシリくんの目付き、これまでとは全然違う...!でも相手のガデン選手は陰湿な悪口で有名な強敵、別名陰キャメガネ...通称陰キャ...だけど、特訓を重ねたノノシリ くんなら...!」
 
  ガデンが白旗を持つ
 
  ガデン「ま、まあ良いでしょう。先攻ぐらい譲ってあげますよ。このくらいのハンデがない と、面白くありませんからね。」
  ノノシリ「余裕ぶっこいていられるのも今のうちだぜ。俺はこんな所で足踏みしてる暇なん かないんでな。」
  ガデン「ふん...来なさい!」
  ノノシリ「(息を吸い込む)......お前の母ちゃん、でーべそ!」
 
  ガデンが胸元を抑える
 
  ガデン「ああ......あああ...っ...うわああああああ」
  ノノシリ「いっけぇーっ!」
  ガデン「ぐぅ、うおおおお!(息切れ)まだです...この程度では...」
  実況「ガデン選手これを耐えたーっ!しかし、かなりのダメージを受けてしまったようです。 ここからはガデン選手の攻撃ですが...」
  ガデン「私の悪口で、君の心が折れる確率...98%...!」
  ノノシリ「確率なんて、所詮ただの数字遊びだ。来やがれ!」
  ガデン「この痴れ者が!」
  ノノシリ「あ...がっ...がぁっ...ぐぐ、でぃやぁあッ!」
  実況「ノノシリ選手、ガデン選手の陰湿な悪口を軽くはじき飛ばしたぁ!余裕の表情です! なんというふてぶてしさ!」
  ノノシリ「おい、何か言ったか?よく聞こえなかったな」
  ガデン「なんだ...何が起きている?おかしい...こんなことは有り得ない!」
  ノノシリ「俺の番だ。これで決めてやる」
  ガデン「わ、私がこいつの悪口に耐えられる確率...計算中計算中......」
  ノノシリ「(息を吸い込む)......お前の母ちゃん、それはもう、すっごいでべそっ!」
  ガデン「ギェアアアアアア!!!」
 
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