ナナイロ(山吹)
「山吹」

登場人物
・ヤマブキ
・ナナ




昼下がり。とある屋敷の一部屋。
エプロン姿で掃除をしている一人のメイドがいる、ナナである。

ナナが掃除をしていると、そこに一人の男性が入ってくる。
きちんとした格好をしている、この屋敷の主人、ヤマブキである。

ナナ「(気づいて)おはようございます、ご主人様」
ヤマブキ「うん、おはよう」

ヤマブキ、部屋を見渡す。

ヤマブキ「うわぁ、すごいきれいになってる。この辺とかほこりだらけだったのに」
ナナ「(少し笑う)あと少しだけきれいにしますので少々お待ちを」
ヤマブキ「はぁい。いつもありがとうね」
ナナ「いいえ」

ヤマブキ、自分のものらしき椅子に座りそこにあった書類を見る仕草。その間にナナは掃除を終えた様子。

ヤマブキ「(思い出す)あ、そういえばさ、ナナさん」
ナナ「はい?」
ヤマブキ「鍵、見なかった?」
ナナ「鍵?ですか?」
ヤマブキ「うん」
ナナ「いえ、とくには……」
ヤマブキ「そうかぁ……ここに置いたと思ったんだけど」

ヤマブキ、悩んでいる様子。

ナナ「あの、私がお探ししましょうか?」
ヤマブキ「え、いいの?」
ナナ「ええ、もちろん」
ヤマブキ「でも(部屋を見て)掃除もほとんど終わってるだろうし、休みなよ」
ナナ「いえ、私がお手伝いしたいのです。ご主人様がよろしければ、ですが……」

しばし沈黙。

ヤマブキ「(微笑む)そっか。じゃあ、お言葉に甘えて」

ナナ、微笑み返す。

ナナ「あのそれで、具体的にはどのような鍵なのですか?」
ヤマブキ「えぇと、(手で大きさを示す、小さそう)これくらいの大きさの古い鍵」
ナナ「なるほど。その大きさですと、どこか隙間に落ちていそうな……」

ナナ、棚や机などの間を探す。

ヤマブキ「(心配そう)大丈夫かい?」

ナナ「ええ、全然」

ナナ、もとの体勢に起き上がる。
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