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相談所

「　相談所　」　　　作：つむぎ日向

小道具　：　イス（２）　スマホ（１）

本編
　　　開幕。
　　　結婚相談所。
　　　受付のカウンター内に職員のＢが座っている。そこに客のＡがそわそわしながらやってくる。

Ｂ　「こんんちは。結婚相談所＿＿へようこそ」
Ａ　「どうも。あの、僕こういう所初めてで」
Ｂ　「大丈夫ですよ。ゆっくりご希望に合う方を探していきましょう」
Ａ　「あ、それは間に合ってます」
Ｂ　「え？」
Ａ　「ここ結婚相談所ですよね？」
Ｂ　「はい」

　　　イスに座り、前のめりに聞くＡ。

Ａ　「だったら、どうやってプロポーズしたらいいか教えて下さい！」
Ｂ　「はい？」
Ａ　「良いプロポーズの方法を教えてもらいたいんです！」
Ｂ　「えっと……そう言われましても……」
Ａ　「ここは結婚相談所ですよね？」
Ｂ　「はい」
Ａ　「結婚についてなんでも相談して良い場所ですよね？」
Ｂ　「それは違いますね」
Ａ　「え、違うんですか！？」
Ｂ　「ここは、結婚相手を探す場所です」
Ａ　「そうだったんですか！うわぁ～勘違いしてた……」

　　　落ち込むＡ。

Ａ　「でも困った……あの、どうしてもダメですか？」
Ｂ　「ダメも何も、ここはそういった場所ではないので」
Ａ　「じゃあ、どこに行ったら教えてもらえますか？」
Ｂ　「さぁ？」
Ａ　「えぇ、それも知らないんですか？」
Ｂ　「申し訳ありません……」
Ａ　「あの、それなら仕方ないんで」
Ｂ　「はい」
Ａ　「話だけでも聞いてもらえませんか？」
Ｂ　「えぇ？」

　　　嫌そうな顔をするＢ。しかしＡは構わず続ける。

Ａ　「困ってるんですよ。他に相談できる人もいなくて」
Ｂ　「私も相談できる人じゃないんですけど」
Ａ　「お願いします！このままだと、彼女にどうやってプロポーズしてほしいか聞くことになっちゃいます！」
Ｂ　「それは絶対に避けた方がいいですね」
Ａ　「でしょ！だからお願いします！今ヒマですよね！」
Ｂ　「まぁ、他にお客様もいないですけど……」
Ａ　「それじゃ！ね！」

　　　Ａに押されて渋々頷くＢ。

Ｂ　「もう……分かりました。じゃあ、お話しだけで良ければ」
Ａ　「ありがとうございます！良かった～」

　　　Ａ、改まって前のめりに聞く。

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