デイライトの襲撃
殺し屋シリーズ2部:3話
時刻は昼下がり。暖かな陽光が街を照らしている。
その中でも比較的閑静なエリアに居を構えているのは銀の事務所。
シンプルなオフィスの室内に銀の素っ頓狂な声が響く。
銀:哎呀(アイヤ)!
ホープ:……何?
銀:いや、びっくりしちゃった。
銀:まさか二人で来るとは思わなくてね。
クルム:おいおい、組ませたのはお前だろうが、銀(イン)。
銀:そうだけど……。
銀:何、どういう心境の変化なの、ホープちゃん。
ホープ:別に何も変わらないわ。
クルム:俺は変わったかな。
クルム:意外に可愛いトコあんだよ、この嬢ちゃん。
クルム:ドーナツに目がなくてな……。
ホープ:口が軽い。
クルムの足を蹴るホープ。
クルム:いッて!
銀:はは、ちょっと目を離した隙に良いコンビになってるじゃない。
ホープ:慣れ合うつもりはない。
ホープ:ただ、ビジネスの上ではひとまず信用する。
銀:十分十分。大きな進歩だ。
銀:君ら二人はさ、個人でもかなりの実力者だけど……。
銀:互いを補い合えばもっと伸びるよ。期待してるからね。
クルム:そりゃどうも。
クルム:そんで? 仕事の話だろ。
クルム:もう怪物(モンスター)の相手はゴメンだけどな。
銀:怪物(モンスター)?
ホープ:……。
クルムの足を蹴るホープ。
クルム:いッて! おい嬢ちゃん、サッカーボールじゃねぇんだぜ俺は……。
ホープ:何でもない。本題に入りましょう。
銀:まぁ、相手は人間だけど……大物には変わりないかなぁ。
ホープが奥のドアに視線を向ける。
ホープ:……奥で聞き耳を立てているのは関係者?
銀:えっ。
クルム:こっちに興味が向きすぎだな。カタギか?
銀:参ったなぁ。さすがだね、二人とも。
銀:順を追って話そうかと思ったんだけど……まぁ、いいか。
銀:入っておいで。
奥へ呼びかける銀。
ドアが開き、一人の男が姿を見せる。
レオ:……。
銀:紹介するよ。この子は……。
レオ:レオ・ベルトリオ。悪いがカタギじゃない。
ホープ:……ベルトリオ?
クルム:ほう、確かに大物だな。
銀:えっと、レオくん。この二人は……。
レオ:「エクスマキナ」に「魔弾の射手」。
レオ:知ってるよ。裏に身を置いてれば嫌でも耳に入る名前だ。
銀:もォ、ちょっとは私にも喋らせてよ。
クルム:オヤジの件は残念だったな。
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