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しゃべりたおそう

　しゃべりたおそう
　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　作　さとうたおる

【登場人物】
・タケ／テル…高校三年生／地下組織放送局ＤＪ
・（サトウ先生）…放送部顧問
・（クロ）…タケの中学の同級生、同じ高校の生徒
・（ハル）…地下組織メンバー、テルの友人
・（ナツ）…地下組織のメンバー
・（アキ）…地下組織のメンバー

【時間・場所】
・たぶん現代
・高校の放送部室／地下組織の放送局

シーン１・学校の放送室

　舞台の中央には机、椅子。机の上にはマイク。設定として、机の上には放送用の機材、机の後ろには棚があってＣＤ等の音源が置かれている。舞台奥よりにはポールハンガーがあり、ジャケット、帽子（いずれも古びて薄汚れている）がかかっている。
　男（タケ）は、鞄を横に置き、椅子に座って机に向かっている。しばらく部屋の中のそこかしこを眺めている。

タケ　ふーん。変わんないな…って、当たり前かあ。（機材をいじったりして）よし。ＯＫＯＫ。いやいや、オレがＯＫじゃない。（ちょっと顔面を手でマッサージ）あえいうえおあお…言えてね〜。

　タケ、立ち上がり、軽くストレッチして早口言葉などやってみるが、カミカミ。再び椅子に座る。

タケ　え〜、お昼休みの楽しいひととき、今日も放送部室から愛を込めてお送りします…はあ…（チラリと鞄を見て、さらに時計（部屋の上方の壁に掛かっている設定）を見て）あと五分…

　タケ、放送機器のスイッチなどを指さし確認し、操作の手順を思い出そうとする。

タケ　あ、マニュアル…（机の上や棚の中などを探す）どこいった…？

　そのとき、ドアノブをガチャガチャ回す音がする。（サトウ先生の声がする）

（声　あれ？開いてる？）

　（先生が現れる。）

（先生　え？）

タケ　先生…

（先生　何で？）

タケ　はい？

（先生　何でいるんだ？）

タケ　何でって、えー、その…

（先生　授業は？）

タケ　授業は…えー、あ、ちょっと早めに、放送の準備を。

（先生　準備って、だって当番が放送を…）

タケ　ああ、今日の当番はナオキですけど、２Ｂの。

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