原子爆弾と僕らについて
「原子爆弾と僕らについて」
登場人物
・ミチカ(14)
・アユミ(16)
・ユウタ(16)
・タケコ(89)
暗転中。
上手と下手にスポットライトが入る。
一方にはミチカ、一方にはアユミ。
ミチカは「うざい」「死ね」などと書かれたノートを投げつけられている。
アユミは誰かに暴力を振るわれている。
二人をいじめている存在は去り、二人だけが残される。
スポットライトから地明かりへと変わる。
ミチカ、ノートを拾う。
アユミ、ミチカの方へと歩み寄り、一緒にノートを拾う。
アユミ「大丈夫?」
ミチカ「……」
アユミ「突然ごめんね。時々ここで君を見かけて……気になっていたから」
ミチカ「……」
アユミ「いじめられてるの?」
ミチカ「……」
アユミ「誰かに相談とか……家族とか先生に……」
ミチカ「誰にも知られたくない」
アユミ「……そっか」
ミチカ「うん……」
アユミ「僕も同じ」
ミチカ「え?」
アユミ「僕もいじめられている。だけど誰にも言えない」
ミチカ「そうなんだ」
アユミ「うん」
ミチカ「……どうしようもないことってあるよね」
アユミ「うん」
間
アユミ「ここで何をしてるの?」
ミチカ「お父さんを待ってるの」
アユミ「お父さん?」
ミチカ「昔はよく迎えに来てくれたから」
アユミ「そうなんだ」
ミチカ「でもずーっと前に女の人と一緒にどっか行っちゃった」
アユミ「……」
ミチカ「私もどっかに連れてってくれないかなあ」
アユミ「どこか行きたいの?」
ミチカ「誰もいないところに行きたい」
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