つかのま!
【人物一覧表】
サチ(20)大学2年生。大学の演劇部員(照明)、不幸体質
アキ(20)大学2年生。大学の演劇部員(照明)、不幸体質ではない

あらすじ
大学生のサチはとても不幸体質。そんな彼女が幸運な事が多く起きた!と親友のアキに話していく。ツキすぎて、明日死ぬんじゃないかと口に出すも、また不幸体質が戻ったので、そんな事にはならなさそうだとアキは溢すのであった。

―――
○大学の食堂(夕)
    食堂の長机に両隣で座っている
    机の上にはトレーがあり、各人の横には軽食が並んでいる
    また、ノート類も多く、作業中なのが伺える

サチ「ここの照明どうする?」
アキ「どこって、これって上手の方でしょ?」
サチ「うん、上手全体を照らしたほうがいいのか、役者が歩くに従ってドンドン明かりをつけていくほうがいいのか…ってさ」

    サチ、説明の時にペンを使用する、そのペンにアキが気づく

アキ「お、当たったの、ソレ」
サチ「よくぞ気づきました!【魔法少女ア・ラ・クレーム】のピスターシュベリーちゃまのランダムペン当てました!!」
アキ「ちょっとうっさい!」

    口に指を当てるアキと、周りに気づいて大人しくなっていくサチ

サチ「んなははぁ…すみませぇん…でもさ、この運のない私がランダムで推しを当てるの、最強すぎやしなかね?」
アキ「本当に珍しいよねぇ」
サチ「明日、私死ぬんじゃねぇかなとおもってる」
アキ「予言中に悪いんだけどさ。今回の台本の照明プラン、何一つとして決まってないからやめていただける?」
サチ「だって!普段の私がどんなにツイてないか知ってるでしょ?」
アキ「そうだねぇ…この前はちゃんと目標を見てたのに、バレーボウルの全力サーブが私の背面に突撃してくるし」
サチ「なんで相手のコートに入らなかったんだろうねぇ」
アキ「電車に乗って定期券外に行こうとすると、お金が入ってても改札で通せんぼされるし」
サチ「もうあれは改札の呪いにでもかかってるんじゃないかと思ってる」
アキ「一昨日なんか、先生のめっちゃ重要な話の時にノート取ろうとしたら」
サチ「よりによって大きな音立ててペンがぶっ壊れた上で、みんなの注目を集めちゃうし、…この前もだけどさ、気合を入れた日に限って雨ふるし」
アキ「アンタは本当についてないよね」
サチ「うん、自分でもびっくりしてるよ。だからこそ、だよ」

    アキの肩に手を置くサチ

アキ「なに」
サチ「私は明日死ぬんじゃねぇかな、と思っているのだよ」
アキ「照明プラン完成させたら、その話もう一回聞いてやるからさ、まずは黙って作業してくれない?」
サチ「だって昨日今日でどんだけツイてるのかきいて欲しいんだもん、良いじゃん!煮詰まってきたしさ!」
アキ「しょうが無いなぁ…もうこうなるとアンタはテコでも動かないし、休憩しますか」
サチ「よっしゃその意気だよアキちゃーん!」
アキ「その代わり、遅れはお前が取り戻すんだからね、わかった?」
サチ「う、わかったよ…!で、さ!昨日の帰りにオタクショップ寄ったじゃん、私。そこで、ランダムグッズをけっこう買った訳ですよ」
アキ「うん、なんか10個くらい買ってたねぇ。バイトの給料が入った〜、って大喜びしながらカゴに入れてたねぇ」
サチ「それがさ…最推しのグッズも当たるし、その最推しの高レアリティグッズも当たるし、最推しほどでは無いけど好きってキャラのグッズばっかり当たったんだよね!」
アキ「すごいじゃん」
サチ「しかも、ハマってるアプリがあるじゃん、一昨日話した「空飛ぶ執事捕獲ゲーム」のやつ」
アキ「あー、10連ガチャやっても中々高レアリティが出ないと噂のアレね」

    そう話している間にスマホのアルバム欄を見せるサチ

サチ「聞いて驚け!単引きと10連の計11回ガチャ引いてなんと、URが1体とSSR3体も出たんだぞ!!すごく無い!?」
アキ「すごいすごーい。…ソレもだけどアンタ、さっきの昼休みの学食で喜んでたの見かけたけど、なんかあったの?」
サチ「私が頼む日に限ってお肉の小さな油淋鶏(ゆーりんちー)のお肉が大きかった!これは嬉しい!ツイてるのさ!」
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