comic dialogue(漫才)
「comic dialogue(漫才)」作:つむぎ日向
 
 
小道具:
 スーツ等の揃いの衣装(2)・漫才の台本(2)・マイクスタンド(1)
 
 
本編:
    開幕。
    Bの部屋。
    話しながら二人が上手(玄関)から入ってくる。二人とも派手なスーツ等の揃いの格好。
 
 B 「おお~割と似合ってるじゃん」
 A 「なぁ、コレなんなんだよ。急に家まで来いって呼ばれたかと思ったら着替えさせてさ」
 B 「ん?まあ、ちょっとな……」
 A 「ちょっと何?」
 B 「それがさ……お前と一緒にやりたいことがあるんだよ」
 A 「だから何を?」
 B 「実は俺さ……芸人になりたいんだ」
 A 「は?芸人?芸人って、お笑い芸人?」
 B 「そう!俺、漫才がやりたいんだよ」
 A 「漫才?そんなの、お前には無理ろ」
 B 「なんで」
 A 「だって、漫才って喋りだけで笑い取るんだぞ」
 B 「そうだよ」
 A 「お前、この前の呑み会だってスベりまくってたじゃん」
 B 「それは、そうだけど……でも、夢なんだよ」
 A 「夢?聞いた事なかったな。いつから?」
 B 「先月」
 A 「先月!?ずいぶん最近じゃん」
 B 「でも絶対叶えたいんだよ!だからな!協力してくれって!」
 A 「協力してくれって言われてもな~……あれ?じゃあ、もしかして、お前俺とコンビ組んで漫才やろうと思ってるの?」
 B 「そうだよ」
 A 「えぇ~!嫌だよ!俺、普通のサラリーマンだぞ」
 B 「大丈夫だって!お前、高校の時演劇部だったろ」
 A 「演劇部っていってもさ~……あっ、そうだ。お前、高校の時「いつまでつまらないお遊戯やってんだよぉ~」って言ったよな」
 B 「え?俺そんなこと言った?」
 A 「言った。確かに言ったね。あれ、絶対忘れねぇからな!」
 B 「何年前の話してんだよ」
 A 「お前が言い始めたんだろ。ま、いいや。じゃあな」
 
    帰ろうとするA。
    Bは引き留めようとして、Aに抱きつく。
 
 B 「おいおい!どこ行くんだよ!」
 A 「どこって帰るんだよ」
 B 「もう、頼むって。台本も書いちゃったし、俺にはお前しかいないんだよ!」
 A 「離せって……じゃあ読み合わせだけなら手伝ってやるよ」
 B 「ホントか!?ありがとう!!」
 A 「だから離せって!」
 
    Bを引きはがすA。
    Bは嬉しそうに台本をAに渡す。
 
 B 「じゃあ、これお前の台本な」
 A 「うん……それよりさ、芸人になるってどうするの?養成所とか入ろうと思ってるの?」
 B 「え?」
 A 「え?」
 B 「なに?」
 A 「なにって……え?もしかして、お前その辺考えずに芸人になるとか言ってるの?」
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