それは呪縛のような
幼少期のカナデとモミジ
夢の中
カナデ:お姉ちゃん、待ってよ!
モミジ:もう!また?!付いて来ないでよ!
カナデ:待って、置いていかないでよぉ!
モミジ:なんで私についてくるの?ほかの友達と一緒に遊べば良いじゃない。私はあんたと遊ぶほど暇じゃないんだから
カナデ:だってぇ…
モミジ:とにかく。もう付いてこないでね!
カナデ:あっ、待って。待ってよぉ!
モミジ:もうホントにしつこ…
危ないっ!
カナデ:え…
車のブレーキ音。
モミジに突き飛ばされるカナデ。
カナデ:お姉ちゃん…!
カナデ:(覚醒)お姉ちゃんっ!
…はっ、はっ、はっ、はっ…
はぁ…夢か…
ベッドの上で体を起こす。
カナデ:嫌な夢…。なんであの時の…。
…あっ、しまった。もうこんな時間!
ベッドから降りて階段をおりる
姉の部屋のドアをノックする音
カナデ:おはよう、姉さん
モミジ:…おはよ。今日はいつもより随分ゆっくりね
カナデ:ごめん、寝坊しちゃって…
モミジ:ふぅん、まぁいいわ。早く体を起こしてくれない?背中が痛いの
カナデ:分かった、ごめんね
カナデはモミジの体を起こすと車椅子に移動させる。
モミジ:…寝汗をかいてるわね。何か嫌な夢でも見たの?
カナデ:えっ?..いや、なんでもないよ。変な夢見たなって思ったけどもう忘れちゃった
モミジ:そう?ならいいけど…着替えないと汗が冷えて風邪ひく
カナデ:うん、朝ご飯用意したらそうする。車椅子、動かすよ
モミジ:ええ、お願い
部屋を出る二人。
リビングで簡単な朝食を取り始める。
カナデ:姉さん、コーヒーのおかわりは?
モミジ:貰うわ。お砂糖を抜いて
カナデ:分かった。ミルク多めにする?
モミジ:そうね、そうして
カナデ:今日、バイトで少し帰り、遅くなるから
モミジ:そう、分かったわ…何時?
カナデ:…多分、21時過ぎ
モミジ:今日は結構遅いのね
カナデ:午後からヘルパーさんが来てくれるから、夕食頼んでる
モミジ:…いつもの人?
カナデ:うん、いつも来てくれてる斉藤さんに頼んでる
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