やがて世界に溶け込んで
やがて世界に溶け込んで
登場人物
A 瀬尾はるか(せお はるか)
X 速水かなた(はやみ かなた)
SE1「雨の音」
幕
舞台上にはいくつかの箱
◆シーン�@「雨」
Cue1.舞台中央に明かり
中央にXがレインコートを着て立っている
まるで死の象徴のように虚無感に満ちている
SEの雨音が強くなる
Aがやってくる
SEの雨音がピタリと止まる
A 「到着したなら連絡ちょうだいよ」
Xはハッと意識を戻す
M1「カフェミュージック」
◆シーン�A「喫茶店」
SE2「扉の開くカランコロンとした音」
Cue2.中央に大きめの明かり
どうやら喫茶店のようだ
X 「瀬をはやみっ。岩にせかるる滝川の?」
A 「われても末に逢わむとぞ思ふ」
X 「へっへー。ごめん、待った?」
A 「待った」
Aが箱のひとつに座る
Xがレインコートを脱ぎながら座る
X 「ええー、そこは「いま来たところ」じゃないの?」
A 「約束から一時間も遅れてるのに?」
X 「それはー……ごめんっ」
A 「ぜんっぜん誠意が感じられないんだけど」
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