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柊探偵事務所

柊探偵事務所

◇
茜：（Ｍ）ここは柊探偵事務所。
茜：浮気やストーカー調査、人探しや企業調査など幅広く請け負っている。
茜：所長の柊文彦は顔はそこそこ整っているが、少々の面倒臭がりで気分屋という、探偵に不向きな性格の男である

柊：茜くーん、コーヒー入れて～
茜：…所長、すぐそこのコーヒーメーカーの中にありますよ
柊：なら注ぐだけじゃん
茜：ええ、そうですね
柊：入れてよ～ついでにお菓子もつけて欲しいなぁ
茜：わがまま…
柊：ほらほら、所長命令だよ
茜：わかりました、わかりましたよ。入れたらいいんでしょう入れたら
柊：そそ。お願いねぇ。
柊：ちょうどこの間、お菓子たくさん追加で買ってきたからね！どれでも好きなものを出してくれたらいいよ！
茜：…食べるの、所長ですよね
柊：茜くんも食べればいいじゃないか
茜：いえ、私は結構です。…どうぞ
柊：ありがとう。…んー、この煎餅は裏切らないねぇ。僕この素朴でシンプルな醤油味の煎餅が一番好きだなぁ
茜：所長、気になってたんですけど
柊：ん？なんだい？
茜：次の依頼は来てるんですか？
柊：いや、僕は知らないなぁ
茜：私も知りませんね
柊：じゃあ来てないんだろ。
柊：そもそも探偵業が忙しいなんて、実に世知辛い！多少暇な方が良いじゃないか
茜：まぁ、そう言われたら確かに。でも最近ちゃんとした依頼って来てなくないですか？
柊：そうだったかなぁ
茜：１番最近の依頼、３件全部飼い猫の捜索ですよ
柊：いやいや、猫は大切な家族だよ？
茜：そういう意味じゃなくて…
柊：分かってるよ。でも、君だって馬車馬みたいに働きたくないだろ？先月みたいにストーカー男に初対面で求婚されるの嫌だろ？
茜：まさか、被害者の女性に泥棒猫扱いされるとは思いませんでした
柊：調査料、払って貰えないんじゃないかとヒヤヒヤしたよ
茜：でも仕方ないんですよ、私可愛いから
柊：サラッと自分で言っちゃう辺り、ホント感心する。探偵仲間にも聞いたけどね、ストーカーの加害者が一目惚れして標的変更なんて聞いた事ないって言ってたよ
茜：…探偵仲間とか、居たんですね
柊：いるとも！勿論友達だっているよ！
茜：先回りして言われると、居ないんだなって思いますよね
柊：居るよ！友達いるよ！
茜：ハイハイ、そういう事にしておきます

（ドアをノックする音）

茜：あれ？
裕子：あのう…
茜：はい、いらっしゃいませ。柊探偵事務所へようこそ
裕子：あの、こちらではどんな難しい調査でも請け負ってくれる、凄腕の探偵さんがいらっしゃると伺いまして…
茜：凄腕…？
柊：はい、そうです！私がその凄腕の探偵です！
裕子：まぁ、あなたが…！
茜：ちょ、所長！

（茜は柊を引きずって離れる）
（ヒソヒソと話すふたり）

茜：どういう事ですか、そんな凄腕の探偵なんてうちにはいませんよ！
柊：何を言ってるんだ、失礼だな！僕に決まってるじゃないか！

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