メロンパン殺人事件
メロンパン殺人事件

莉央 陽葵 杏 3人劇
 陽葵、物陰で静かにじっとしている。
莉央「みなさん、このメロンパンどう思います?これ、ただのメロンパンじゃないんです。凍ってるんです。アイスクリームなんです。」
 間
莉央「だーかーら、アイスクリームなんです。メロンパン味の。つまり、メロンパンじゃないんです。」
 間
莉央「時々、ありますよね。誰だ、俺のプリンを食べたのは!!」
莉央「俺じゃない。」
莉央「嘘をつけ。」
莉央「嘘じゃない。」
莉央「その口についているのはなんだ!!」
莉央「はっ。これはプリンじゃない。クリームパンのクリームだ。」
莉央「お前、プリンに飽き足らず、クリームパンも食べたのか。」
莉央「す、すまん。」
莉央「この外道め!!」
莉央「プリンとクリームパンとポッキーとハーゲンダッツと、、、、。」
莉央「げ、外道!!」
 間
莉央「みたいな?しょうもないやりとり。」
 間
莉央「ちなみにそうこうしている内にこのメロンパンのふりしたアイスクリームは溶けてきているわけですよ。」
 間
莉央「地球のために。」
 莉央、メロンパンのふりしたアイスクリームを食べる。
 食べながら、散らかった部屋を物色。アイスが溶けて汚れたのをそのへんのもので拭く。
莉央「なんか、臭いなこの家。正直、こーゆー汚い部屋ってどうかって思いますよ。」
 莉央、洋服を取る。
莉央「んー微妙。」
 莉央、何気なく、洋服を放る。陽葵の前に洋服が飛ぶ。
陽葵「私は食べたかったですよ。」
莉央「うわ!!ごめんなさい。(しゃがんで、頭を抱える)」
陽葵「私、食べたかったですよ。」
莉央「え、あの、え?何?」
陽葵「メロンパン。」
莉央「メロンパン?」
陽葵「メロンパン。食べたでしょ。」
莉央「食べてません。」
陽葵「いや、食べたでしょ。私、見てたもん。」
莉央「食べてませんて。」
陽葵「不可逆。」
莉央「何?」
陽葵「だから、不可逆。」
莉央「えっと、どちら様?」
陽葵「戻せます?あなたのその胃袋に入ったメロンパン、戻せます?戻せません
よね。不可逆ですよね。」
莉央「あの、意味わかんないんですけど。」
陽葵「わかりませんか?」
莉央「それは不可逆の話?メロンパンの話?」
陽葵「その二つは同じ話ですよ。」
 間
陽葵「あー、もう。ペン貸してください。」
莉央「ペン?」
陽葵「絵を描いて説明します。」
莉央「何を?」
陽葵「あなたのしたこと。あなたが私にしたこと。」
莉央「意味がわからない。」
陽葵「だったら、わかるまで説明しますから。」
莉央「あの。」
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