ハーメルンの笛吹男
ハーメルンの笛吹き男    

登場人物
王様
家来
ハーメルンの笛吹
少年


王様「なんなんだ。この騒々しさは」

家来「申し訳ございません。王様。最近、このハーメルンの町中にネズミが繁殖しており、
   この城内にもわんさか侵入しておりまして、家臣も女中たちも朝からてんてこまいでございます。」

王様「ねずみ?ネズミごときで、この騒ぎか!いったいどうなっておるのだ。猫でも放したらよかろう」

家来「王様。お言葉ではございますが、王様の大事にされております王冠のコレクションもカリカリされいますよ?」

王様「何?王冠をカリカリだと」

家来「はい。カリカリカリカリでございます」

王様「カリカリカリカリだと」

家来「はい。カリカリカリカリがちカリでございます」

王様「猫を放てい」

家来「ですから、すでに、猫などでは、どうにかなるような状況にはございません。
   町では不衛生な環境により伝染病などもすでに大流行でございます。
   ネズミごときではございますが、すでに国の一大事にございます」

王様「そうであろうな。カリカリは国の一大事じゃ」

笛吹「カリ」

王様・家来「うわぁ。」

家来「なんなんだ。貴様は。どこから入ってきた!」

笛吹「城門からですよ。正面の。まぁ、騎士の方は誰一人いませんでしたがね」

王様「どうなっているんだ」

家来「申し訳ありません。このネズミ騒ぎで持ち場を離れたのかもしれません」

王様「何をしているんだ。今こいつのような曲者がわんさかきたら、城はひとたまりもないぞ」

笛吹「結構な言いようで。私はね、城の外に書いてあるお触れを見てきたのですよ。
町中のネズミを退治したものに褒美を取らせる。ネズミ五十匹十マルク!」

王様「そのようなもの勝手に!」

家来「しかしながら、ネズミは国の一大事です」

笛吹「まぁまぁ。僕なら町中のネズミを一匹残らずこの町から排除してみせますよ。」

王様「そういうなら、そち、やってみろ。毎日この騒ぎでは、たまったもんではない」

笛吹「では、明朝に。」
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