デッドエンドの彼方
殺し屋シリーズ:14話
センチピード:(出会いは最悪だったわね。)
センチピード:(口は悪い、人の話は聞かない、仕事は雑。)
センチピード:(今でこそ少しはマシになったけど、あの時は同業とは思いたくなかったわ。)
センチピード:(虚勢を張るだけのチンピラと何ら変わらない。)
センチピード:(私たち、別々の仕事で同じマトを狙ってたの。)
センチピード:(とんだ偶然もあるものね。)
過去の情景が蘇る。
お互いが仕事の最中であるシャークとセンチピード。
2人がいがみ合いながら身を隠している。
シャーク:見逃してやるからとっとと帰れ。
センチピード:そっくりそのまま返すわ。
センチピード:邪魔しないでもらえる?
シャーク:良い度胸だなァ、オイ。
シャーク:最近会ったツラの中じゃ骨がありそうだ。
シャーク:何モンだよてめぇ。
センチピード:不用意に素性は明かすものじゃないわよ。
センチピード:あなたもそう思わない? シャークちゃん。
シャーク:な、何であたしの名前……。
センチピード:情報は銃に勝る武器になることもあるの。
センチピード:近頃随分と名を上げてるみたいじゃない。
シャーク:知るかよ。味気ねぇシノギばっかで退屈してるところだ。
センチピード:足元すくわれないようにね。
先へ進んでいくセンチピード。
シャーク:おい、待てよ!
シャーク:邪魔すんなら殺すぞ。
センチピード:金にならない殺しなんてするの?
シャーク:んだとてめぇ……。
センチピード:(まるで弱さを隠す為に牙をむく。そんな感じだった。)
センチピード:(今思うと先生に追いつきたくて必死だったんでしょうね。)
センチピード:(危なっかしくて余裕もない。)
センチピード:(……ああでも、変わらないものもひとつだけあった。)
シャーク:……チッ、余計なことしやがって。何なんだよてめぇは。
センチピード:ご挨拶ね。死にたがりなの、あなた?
シャーク:あの程度物の数じゃねぇだろうが。
シャーク:硝煙なんざ野暮な真似しやがる。
センチピード:全員相手にするつもりだったわけ?
センチピード:全く、穏便にいきたかったのに。
センチピード:無駄に騒ぎを大きくしてくれて良い迷惑だわ。
センチピード:もっと合理的に仕事しなさいよ。
シャーク:うぜぇな、関係ねぇだろ。ほっとけ!
センチピード:関わるつもりないけど、あなたがついてくるんじゃない。
シャーク:あたしもこっちに用があんだよ!
センチピード:ハイハイ、わかったってば。
センチピード:さてルートは、と……。
ルートマッピングを終えたスマホの画面を覗き込むセンチピード。
背後の影から現れた敵が銃を構える。
シャーク:ッ! どけ馬鹿、後ろだ!
センチピード:!
すかさずシャークが発砲。
狙っていた敵を仕留める。
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