まだ快晴
〈登場人物〉
・朝山美音(男)・・・プロの音楽家の親を持つ。厳しく育てられた。
・須藤奏(女)・・・美音の後輩。部員が少ないことを嘆いている。天然バカな子
・星宮詩音(女)・・・新入部しそうな一年生。引っ込み思案で話すのが苦手だが慣れたら平気
・東雲慶(男)・・・生徒会長の男の子。美音とは友達。
哀原叶(男)・・・美音の友達。空には見えるらしい
〈本編〉
蝉の声。少し曇りのように暗い光。
須藤「あ〜…今日も曇り!雨降らなくていいけど…なんか…気分下がるなぁ〜…先輩もそう思いません?」
朝山「………」
須藤「先輩??また考え事ですか?」
朝山「…あぁ、ちょっとな」
須藤「本当に先輩は考え事が好きですねぇ〜今日で5回目ですよ!?」
朝山「あれ、もうそんなにしてたか?」
須藤「えぇ、ずっとです!」
朝山「そうだったか…」
須藤「ほんとに…何見てるんですか?」
朝山「何見てるかぁ…何見てんだろうな?」
須藤「いや、疑問に疑問で返さないでくださいよ」
朝山「だって、分かんなかったから」
須藤「…曇ってる空でも見てるんじゃないんですか?というか、そうやって見てる暇があったら少しは活動してくださいよ!うちは部員少ないんですから!」
朝山「活動って言ったって何するんだよ。この人数じゃ演奏なんて出来ないし、それにお前この部活で何しようとしてる?」
須藤「…指揮者ですけど」
朝山「なんでピアノ演奏が専門のこの部活で指揮者やろうとしてんだよ」
須藤「え〜…だってかっこいいじゃないですか!」
朝山「なら吹奏楽部とか行けばよかったんじゃないのか?」
須藤「吹奏楽部は人が多すぎて指揮をしてたら頭が混乱しちゃうのでだめです!」
朝山「そういやこいつバカだった…」
須藤「バカとはなんですか!バカとは!」
朝山「そのままの意味だよ」
須藤「はぁ…というか!先輩がピアノを弾いてくれればいいじゃないですか!そうすれば私も指揮できますし!」
朝山「俺はピアノを弾く気はない」
須藤「なんでですか!」
朝山「だって、弾けないもん」
須藤「はぁ!?ならなんでこの部活入ったんですか!!」
朝山「その言葉そっくりそのままお前に返すよ」
須藤「いらないです」
朝山「いや、要る要らないじゃなくて」
須藤「だったら!だったら!今から練習してくださいよ!」
朝山「嫌だ。めんどい」
須藤「なら私はどうやってこの指揮者への未練を晴らせば…」
朝山「どんまい」
須藤「先輩!!!!」
須藤詰め寄って東郷に文句を言う。
東郷聞かずに外の曇り空を見つめる。
ドアの開く音。
星宮「しっ…しつれいします…!」
朝山「はい?」
お互いに黙って見つめ合う。
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