ねえ
「ねえ」

・あらすじ
倉庫掃除をする二人組が怖い話をするだけ

・舞台装置
ダンボール数箱、座れる箱、人形いっぱい(祟られたくないため、着飾った人間が望ましい)

・登場人物 RとJ

・本文

(1)
 薄暗い中掃除をしている二人。

R ねえ
J 何?
R 怖い話していい?
 
 間(ゆっくりと振り返り、硬直。動作。)

R ねえ
J 聞こえてるよ、怖い話?
R うん
J 俺、そういうのちょっと苦手なんだけど
R 知ってる。
J じゃあなんで
R なんとなく、今話したら怖くて楽しいと思って

 間

J ・・・ぴえん
R ビビってる?そんなことないよな
J ・・・で、どんな話なの
R ばあちゃんの話。この倉庫はばあちゃんの持ち物なんだよ。
J 知ってる。お前のばあさんが、その、ご冥福を・・・?(お亡くなりになったが正しいのだが言葉がうまく出てこない風)
R 普通に死んだでもいいよ。そんな関わりなかったし、随分前の話だし。
J そうか。死んだお前のばあさんの倉庫を、遺産やらなんやらで掃除しないとダメで、でも誰もやりたがらなくて
R ああ、全部言われた。怖くない?

 間

J 怖かったら来ないよ
R ・・・・!!!確かに〜!
J ほら、掃除再開して、早く帰ろ。
R えー、親族が業者に頼むことすらしたくないって嫌がる蔵掃除とかなんか訳ありそうでゾワゾワしない?
J しない。

 間

R 声、震えてる
J 嫌がってたのか、日程合わなかったとかじゃなくて
R うん。
J 最初から言って
R なるほど、怖い話って詳細盛った方が怖いんだな。確かに最初からそうすべきだった!
J うっぎゃ。言わなくていいよ。

(2)
R 詳細を盛る。詳細を盛る。えっと、俺のばあちゃんはね、親族全体と仲があんまり良くなかったらしい。理由は聞いたことないけど。
J かわいそうに。田舎ムーヴだ、田舎ムーヴ。理由もなく何となく気に入らないからって排除されたんだ。こわーい。
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