君のバリアが破れない
『君のバリアが破れない』
【登場人物】2名(男性1・女性1)
男:映画監督を目指す男。
女:営業部で働く女。
【上演時間】30分
【あらすじ】
大学の頃から友人関係にある男女が居酒屋で語り合う。
夢と仕事と恋と結婚。
ほぼ座ったままの二人の会話劇。
【本編】
居酒屋で席に座る2人。
男:あ、とりあえず生2つで。いいよね?
女:うん。
男:この店来るの久し振りだわ。
女:私も。
男:前来た時はタッチパネルじゃなかったもん。最近の居酒屋ってメニュー無いよね?
女:そんなことないけど、3ヶ月くらい前に来た時はもうタッチパネルだったよ。
男:誰と来たんだよ?
女:えー、友達。
男:男?
女:女。あ、そこ気にするの?
男:いや、例の男かなって。
女:レイノオトコ。
男:あっくんだっけ?
女:そうそう。
男:そいつとは来たことないの?
女:あっくんと飲む時は、もうちょっと高い店に行くし。
男:俺と飲む時は安い店でも気にしないってことな。
女:懐に優しいでしょ。それに背伸びする必要もないし。ってか、あんた相手に背伸びしたくないし。背伸びする価値もないし。
男:お互い様だろ。じゃあ、あっくんとはどこ行くんだよイ?
女:ちょっと高い居酒屋。
男:結局居酒屋じゃねぇか。
女:そこまで背伸びしても仕方ないでしょ。つきあいたての彼氏彼女でもないんだから。
男:あ、思い出した。俺の友達でさ、彼女とのデートにファミレス連れてく奴がいるんだけどさ。そいつ、背伸びした自分じゃなくて、ありのままの自分を好きになって欲しいから、とか言うんだけど、それどう思う?
女:ありの〜〜♪
男:歌わなくていいから。そしてもう古いわ。
女:正直に言うと、ちょっと嫌。その人は彼女がデートにスッピンで来ても気にしないの? たぶんそうじゃないでしょ。
男:だよな。
女:私のためにちょっと背伸びしてくれてるってのが嬉しいのに。
男:わかる。そしてごめん。俺、お前に背伸びしてないかも。あ、いや、出る前に鼻毛切ってきたわ。
女:それは背伸びって言わない。
男:やっぱり?
女:たまには背伸びしてくれてもいいんだぜ。ここを奢ってくれてもいいんだぜ。
男:さっき俺には背伸びしないって言ったくせに不公平だろうが。
女:あ、わかった。それ、友達の話って言いながら自分の話っていうパターンでしょ。ファミレス連れてく男って、あんたのことなんじゃないの?
男:ちげーよ、四ノ宮だよ。あ、お前知らねぇか。
店員が生ビールを持ってくる。(マイムでOK)
男:ああ、すいません。
女:ありがとうございます。
男:はい、じゃ、とりあえず乾杯。
女:乾杯。いえーい。
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