宅配ss
【MT.F37】
マンションの高層階にスナックを届ける配達員。疲れて汗だく

客「ご苦労さん。(汗だくの姿を見て)おお」
配「階段で…来たので」
客「悪いねぇ。高いとこまで…暑そうやねえ。世間はまだ冬よ。こっちは暑いくらいやけど。太陽に近い分」
配「これ…ご注文の…」
客「おお。冷めてへんか?」
配「スナックなんで」
客「下って今も3時?」
配「時差なんて生じませんから」
客「そうなん。長い間降りてへんから」
配「ありがとうございました」
客「高山病に気ぃつけて」
配「ありがとうございました」
客「あ、チップを」
配「ありがとうございます!」
客「(ポテチ)1枚どう?」
配「ありがとうございました」
客「遠慮せんと!(開けようとした袋が破裂する)気圧差やな」
配「ありがとうございました」

【同物同治】
 ポンパドールの客と、その男の父。父は帽子を被っている

父「ウーバーです」
客「…玄関に置けって指定したよな?」
父「最近こればっかり食うてるな」
客「父親面すんじゃねえよ」
父「カップ麺におにぎりだけなんてメニューがわんぱくすぎる」
客「注文覗いてんじゃねぇよ」
父「野菜を食べなさい」
客「正しい事はそんなに偉いんか?…もう来るなよ」
父「…残ったスープにおにぎりぶち込んで食うんやろ?…初めてやったけど、なかなかイケるもんやな」
客「なんて?」
父「特に深夜は格別や…」
客「へえ。人生初の冒険ちゃうんか?」
父「まだまだこれからや」

 客、少しニヤッとする。それに応えるよう  
 に軽く帽子を取って挨拶する父。帽子の下からは客と似たポンパドールが覗く。

【偽物】
配1「ウーバーです」
客 「どうも」

 配1、袋を渡して走り去る。客が占める前に配2がドアを押さえる
 
配2「ウーバーが来なかったか?」
客 「…来ました」
配2「バカモン!(袋をひったくる)そいつは偽物だ!」

 (仕事増やしやがって…)みたいに客を一瞥して走り去る配2 

客 「…何の偽物よ」





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