椀田家は超能力者である!
『椀田家は超能力者である!』

【登場人物】8名(男3女4不問1)
男 :平(たいら)敬一郎。春香の婚約者。真面目な一般人。
父 :椀田トキオ。頑固で家族思いだが、どこか頼りない。時間停止能力者。
母 :椀田くるみ。優しくて家庭的だが、過去に秘密を持つ。チャーハンをパラパラにできる能力者。
春香:敬一郎のことは愛しているが、強引なところもある。相手を2メートル吹き飛ばす能力者。
妹 :椀田マイ。自由奔放な性格。瞬間移動能力者。
祖母:くるみの母親。生まれつき頭の上にサイレンが付いていて、人が嘘をつくと自動的に鳴り響く。
ポルルン:男女不問。魔法少女のおともの魔法生物。語尾にポルンをつけて喋る。全身白タイツなど。
敵 :悪の帝王ドヴォルザーク。黒マントなど。

【上演時間】45分

【あらすじ】
今日は彼女のご両親へ初めてのご挨拶。
しかし直前に彼女から衝撃の事実が!
「うちの家系は代々超能力者で、結婚相手も超能力者って決められてるの!」
結婚の許可をとるために超能力者のふりをするしかない!?
ドタバタ超能力ファミリーコメディ!

【本編】

(一般民家の居間。父が家族アルバムを見ている)

父 「うう……春香……(アルバム見ながら涙ぐむ)」
母 「お父さん、お茶が入りましたよー」
父 「う、うむ、ありがとう」
母 「どうかしたんですか?」
父 「べ、別に何でもない」
母 「それは……アルバム?」
父 「ちがうぞ! 部屋を片付けてたらたまたま見つけたからちょっと懐かしくて見てただけでな」
母 「もう。別に春香は今日お嫁にいくわけじゃないでしょ?」
父 「そんなことは分かってる!」
母 「大丈夫。春香はしっかりしてるから。きっと相手もいい人よ」
父 「それは、わからんだろう! 相手が本当に春香にふさわしいか、今日はしっかりと相手を椀田家全員で……あ、マイは?」
母 「いまハワイですって」
父 「まったく、あいつは働きもしないでフラフラと! こんな大切な日に何をやってるんだ!」
妹 「ワンダー!」
(ワープ音)
妹 「ただいまー」
母 「あ、マイ。あんた、ハワイにいるんじゃなかったの?」
妹 「うん、携帯の充電器忘れて、一回帰ってきた。これこれ。んじゃまた行ってきます」
父 「待て! 今日は春香の婚約者が来るんだ」
妹 「あ、お姉ちゃん、結婚するんだ、へー」
父 「まだわからん。だから、それをどうするかを決めるために今日は椀田家全員でなぁ」
妹 「本人がいいって言ってるならいいんじゃないの?私、関係ないから。じゃ」
父 「関係ないってことあるか。待ちなさい!」
妹 「早く戻らないと。ハワイで友達待たせてんの」
父 「いいから、一度座りなさい!」
妹 「無理無理。んじゃ」(外へ出ようとする)
父 「あーもう……ワンダー!」
(時間停止音。色照明。カッチコッチと時計音約10秒。)
(父以外の動きがピタリと止まる)
父 「まったくこいつは……!」
(時間停止中に父が妹の体の向きを変える)
(時間再起動。普通照明に戻る)
(妹、再び歩き出してから、体の向きを変えられたことに気づく)
妹 「……うわっ! ちょっとお父さん! いきなり時間止めるのやめてって言ってるでしょ!」
父 「いいから聞きなさい。私たちはその婚約者が椀田家にふさわしいかを……」
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