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かくひと

『かくひと』

・書く人　中井穂波（なかいほなみ）
・描く人　後藤沙里奈（ごとうさりな）
・描く人　前橋愛梨（まえばしあいり）

＊各人の話
＊それぞれに想いがあって夢がある
＊人は皆違う
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開幕

＊1場面
○中井にサス
舞台中央、手帳を片手に中井が立っている。

中井　書く人には夢がある。それはどうしようもなく困難で、どうしようもなく儚いものだ。書く人には夢がある。それはどうしようもなく儚く、どうしようもなく散っていくものだ。

○照明CI

季節は10月頭。
舞台には二つのキャンバスとそれぞれのそばに座っている前橋、後藤。前橋と後藤の側には色で汚れた新聞とタオルがある。
中井のすぐ後ろには椅子がある。そばにある机の上は漫画で埋め尽くされている。

前橋　なんでそんな悲しいこと言うんですか！
中井　前橋はこれを悲しいと捉えるんだ。
前橋　だって夢なんて叶わないよっていう詩ですよね？
中井　あまい、あまーい。
前橋　私も甘いの欲しいです！
中井　そっちじゃない。
前橋　どっちです。
中井　前橋は考え方が甘いの。
前橋　おいしくないですよ。
中井　感じない？この詩から溢れ出るpowerを。
前橋　感じないです。
中井　趣！…って感じ。
前橋　感じないです。
中井　ほんっとわかってないんだから！
前橋　後藤先輩〜中井さんがプリプリしてます。
中井　プリプリいうな！
後藤　ほっときなよ。どうせすぐ機嫌なおる。
前橋　はーい。
中井　ちょっと後藤、言うことあるでしょ。
後藤　は？
中井　言うこと。
後藤　なに。
中井　この詩についての感想！
後藤　そもそもそれ詩なの？
中井　筆者が詩だっていってるから詩なの。
後藤　曖昧〜
中井　ほら。
後藤　えー。
中井　ほーら。
前橋　先輩、なんか言わなきゃめんどくさいですよ中井さん。
中井　聞こえてんのよ前橋！
前橋　地獄耳！
中井　あんたの声がクソでかいのよ。
後藤　夢は儚くなんかない。
中井　なんでそう思うの。

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