h(e)avens.
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                               :nokia

Aeka
Wazka































放課後。女1、教室に一人でたたずんでいる。
クラス中の机の上には、死んだ生徒に置かれる花瓶と、花が置いてある。

1   みんなあたしを殺すために、あたしじゃなくて花を殺す。だからあたしは報復に、みんなを殺して花も殺す。でも、みんな元々死んでるようなもんだから、別にいい。花占いを信じていたら、みんなどこかへ行ってしまった。大人はそんなもの、信じないらしい。好きとか、嫌いとか、そんなのどうでもよくなってしまうらしい。だけどみんなは大人になることを淡々と受け入れる、それが気持ち悪くて、あたしは毎日花瓶にゲロを吐く。あたしの吐いたゲロでこの花たちがすくすく育っていくのを見て、ようやく、ようやく、生きていると実感できる。全てを飲み込んで、ゲロなんて吐かない、それを大人になると定義するのなら、あたしは一生子供でいい。みんなが天国に行くか地獄に行くか、そんな花占いの結果だけを気にしていたい。

机の上の花を引き抜きながら。

1   天国。地獄。天国。地獄。(繰り返し続ける)

女2、教室に入る。持っているフィルムカメラで1の写真を撮る。
シャッター音がして、1は動きを止める。

1   ……誰?
2   一般人。
1   東高?
2   うん。知ってる。
1   ここ西高。
2   それも知ってる。
1   …。
2   つまらないから、いろんな学校にこっそり入って面白いこと探してたの。でもね、全部全部退屈最悪だった。
1   学校が退屈最悪なのなんか、生まれる前から知ってる。
2   でも今日面白いの見つけた。
1   …うん。でもさあ、今日、学校、最後の日だからね。
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