オミノヤカミヨ
◆映像用・短編作品◆
「オミノヤカミヨ」
作/スラッシャー松井


◆登場人物◆
如月飛鳥(きさらぎ あすか)(21) 北見大学考古学科二年生

日館高嗣(ひだて たかつぐ)(37) 考古学者

相模伸吾(さがみ しんご)(52) 遺跡発掘のスポンサー

城崎二郎(しろざき じろう)(43) 地質研究家

作業員1
作業員2
作業員3



◆本編◆

○山道・バス停

   山の斜面に造られた二車線の細い国道。
   バスが停車し、ショートカットで小柄な女性
   如月飛鳥(23)が満面に笑みを浮かべて降りてくる。
   手には古めかしい文献。眼下に見える発掘現場を一瞥し微笑むと走り去る。


○発掘現場・全景

   太陽がまぶしく照っている。
   落葉した木々が立ち並ぶ山々に囲まれている発掘現場。
   平野の一部の地面が掘り返されており、階段状になっていたり穴が空いていたりしている。


○発掘現場

   数十名の作業員がハケや小さなスコップで少しづつ土砂を取り除いている。
   飛鳥が走って来る。

   
○同・本部テント

   “オミノヤカミヨ発掘現場”と書かれた立看板。
   簡易テントの下で折り畳み机の上に発掘現場の地図を拡げ
   会議をしている日館高嗣(37)と数名の作業員たち。日館は白いサファリ帽を被っている。
   作業員たちは頭を掻いたりあくびをしたり集中力が散漫である。

日館「今日はこの赤い線の所まで発掘現場を拡大しようと思う。一班と二班は――」
作業員1「日館教授、拡大するのは構いませんが、今度こそオミノヤカミヨは見つかるんでしょうね?」
作業員2「もう二年も同じ様なことをしてる」
作業員3「本当にオミノヤカミヨなんて古代都市があるんですか?」

   ざわつく作業員たち。
   机を両手でバンと叩く日館。
   作業員たちが日館に注目する。

日館「オミノヤカミヨは存在する! 私の研究に狂いは無い!」

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