目が覚めた。
『目が覚めた。』
名無し
サクラ
スミレ
ユズ
ヒイラギ
ヨモギ
心臓の鼓動が聞こえる
音が小さくなるにつれ、明かりがついていく。
舞台上には、たくさんの段ボール。その真ん中で少女が一人眠っている。
少女(名無し)、起き上がる。あたりを見渡し、段ボールを漁ろうとする。が、開けることができない。
何度も挑戦するが、やっぱり開けられない。
サクラ、上手から入ってくる。名無しはその存在に気づかない。
サクラ あら、誰かいるの？
名無し …………‼
名無し、驚き、持っていた段ボールを落とす。
サクラ どうかしたの？
名無し (何か言いたげな顔)
間。
名無し …どこか、いかなきゃ…どこか…。
サクラ どこか？
名無し (うなづく)
サクラ …でも、どこに行けばいいかわからない。だから、そのどこかを探してるってこと？
名無し (うなづく)
サクラ …そっか。う～ん…。
サクラ、少し悩む。
サクラ …よし、わかった。私も一緒に探してあげる。
名無し どう、して…？
サクラ 一人よりも二人の方が探しやすいでしょう？
名無し ……。
サクラ そんなに遠慮しなくてもいいから。
名無し (うなづく)
サクラ …うん、そうと決まれば早速探し始めましょうか。
名無し (うなづく)
サクラ これからしばらく一緒にいるんだし、名前は知っておいた方がいいわね。
名無し （うなづく）
サクラ 私の名前はサクラ。よろしくね。
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