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泉のほとりに巫女は生きる

泉のほとりに巫女は生きる

カムラ　　次の龍神の巫女。心優しい性格の少女。
メイ　　　巫女見習い。カムラのことを大切に思っている。
ライ　　　メイの弟。大きくなったらカムラを守ると言っているが、泣き虫。
レイラ　　カムラのことが嫌いな巫女。
師匠　　　現在の龍神の巫女。年寄りだが、龍神の巫女は年を取らないので見た目は少女。
アズ　　　龍神の巫女を守っている青年。結構謎多き人。

オープニング
　鳥のさえずり・木の葉のざわめき・滝の音などが聞える

　＊カムラが中央で、下手側にメイ、上手側にレイラが、ひざまずいて祈っている。
　＊師匠が歩きながら監督をしている。
　＊アズ、奥に控えている。隣にはライが立っている。

師匠　　メイ、もっと集中して。レイラ！　雑念が交じってるわ！　カムラは、いい調子ね、そう…
　　　　龍神様に声が届くように、心をこめて祈るのよ
アズ　　巫女さま、そろそろ、お時間です
師匠　　あら、もうそんな時間？
アズ　　ええ。早く祭壇に戻らねば、龍神様のご機嫌を損ねてしまいますよ
師匠　　分かってるわよ！　まったくアズはいつもいつも！　じゃあ、三人とも瞑想をやめていいわよ
レイラ　はあ！　瞑想って地味で肩こるから嫌なのよねー。あたしには似合わないって感じ！
師匠　　レイラ！　神に仕える巫女にとって瞑想は基礎中の基礎！　これができないでは龍神の巫女どころか、ただの巫女にだって
　　　　なれないんですからね！
レイラ　はあーい。わかってますって、お師匠様
師匠　　ならよろしい。メイはもう少し努力しないとね。やる気だけあってもだめなのよ
メイ　　はい…
レイラ　才能あってもだめなくせに
師匠　　レイラ、なにか言った？
レイラ　いーえ、何にも！
アズ　　龍の巫女、そろそろ、お時間が
師匠　　あ、いっけない！　もっと早く言ってよね、アズ！
アズ　　私は先ほどからちゃんと申し上げておりました。なかなか動こうとしない巫女様がお悪いんです
師匠　　あーはいはい。もう、行くわよ！
アズ　　はい、巫女様

＊師匠・アズ上手へはける

レイラ　ふん！　才能も美貌もあったって、龍神の巫女にはなれやしないじゃない！
メイ　　レイラ様…
レイラ　龍神の巫女になれるのは、龍珠を持って生まれた特別な少女だけ…。知ってたらこんなとこに来なかったわよ！
カムラ　レイラ様。ここは修行の場。そのようなお言葉はお控えください
レイラ　えーえー、分かってるわよ。次代龍神の巫女のカムラさま？　いくら先輩だからって、様なんてつけなくていいのよお？
　　　　あの若づくりの婆が居なくなれば、あんたが龍神の巫女！　あたしの主ですもんねえ！　
メイ　　でも、それは龍神様がお決めになったことですから…
レイラ　だからって、これ見よがしに龍珠を首から下げたりして！　見せつけてくれるじゃないのよ。あたしへのあてつけ！？
カムラ　龍珠は、常に見につけておきなさいと、お師匠様から言われておりますから
レイラ　お師匠様お師匠様て、むかつく子ねぇ！　あの程度の容姿で若さを保ってる、厚顔無恥のインチキババアじゃないの！
カムラ　レイラ様
レイラ　な、何よ…
カムラ　ここは修行の場です。ときには龍神様も様子を窺っていらっしゃる。龍神の巫女の悪口を言うのは、おやめください。
　　　　お怒りを買ってしまいますよ
レイラ　そうね、次代の巫女様に従うわ！　あんたに祟り殺されたくないものね！
メイ　　か、カムラはそんなこと…っ
カムラ　龍神の巫女は神のお声を聞き、祈ることしかできません。まして誰かを殺そうなどとは…
レイラ　黙ってよ！　もうあんたの綺麗事はうんざりなのよ！　ふん！
＊レイラ、上手にはけつつ、ライにわざとぶつかって行く

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