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千葉駅零時九分発内房線最終電車殺人事件

　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

山田組公演台本　　

「千葉駅零時九分発内房線最終電車殺人事件」
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　高平　九

　　

　キャスト　 │ＯＬみたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │写真家みたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │主婦みたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │探偵みたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │医者みたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │お婆さんみたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │車掌みたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │死体みたいな人　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　スタッフ　 │音響　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │照明　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　
　　　　　　 │　　　音楽ＦＩ　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　緞帳が上がると音楽が電車の走行音とクロスする。　　　　　　
　　　　　　 │　　　季節は冬。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　午前零時過ぎ、千葉駅を発車したばかりの内房線最終列車車内。
　　　　　　 │　　　七人の上客。全員が椅子に座って眠っている。　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　暗転とともにブレーキ音、悲鳴。走行音は消えている。　　　　
　　　　　　 │　　　明かりが点く。「なんだ」「どうした」と口々に言って崩れた姿勢
　　　　　　 │　　　を直す乗客達。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　舞台前に長々と伏せている死体みたいなもの。　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　全員の目がその死体みたいなものを凝視する。ストップモーション。
　　　　　　 │　　　音楽ＦＩ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　車掌みたいな人、タイトルの書かれた紙を持って上手から舞台中央
　　　　　　 │　　　へ、タイトルを見せた後、そのまま下手にハケる。　　　　　　
　　　　　　 │　　　音楽ＦＯ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　ＯＬみたいな人の悲鳴。ストップモーション解ける。　　　　　
　　　　　　 │　　　医師みたいな人、死体みたいなものに近寄って首のあたりを触れ、
　　　　　　 │　　　何かに驚いて首を横に振る。　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　主婦 │死んでるの？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　ＯＬ │そんな……。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　探偵 │死因はなんですか？　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　医師 │（匂いを嗅いで）かすかにアーモンド臭がします。　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　探偵 │ということは青酸中毒。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　 │　　　全員「毒？」と驚く。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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