喫茶店DE強盗2021
「喫茶店DE強盗」
マスター(40代男性) ……元会社員。大手企業に入るも馴染めないことに早々に気づいて退職。接客は店員に任せ、別室でコーヒーの研究に明け暮れる。
店員(30代男性)……基本的にしゃべらないで必要なものを出す人
強盗(20代男性)……そこそこの大学出て、無難に就職するつもりが、就活がうまくいかず、バイトしてた居酒屋で正社員になるもコロナ禍で店が閉店。基本的にあまり使えない。
占い師(30代女性) ……使っているものはいい加減だが、意外と人を見る目は確か。実は町の資産家の娘。
小説家(30代女性)…… 喫茶店の常連。女子高生時代に、高校生の純愛物を書いて大ヒットし、映画化もされるが、その後は、売れてない。過去の栄光にすがっているため、わざとらしく売れた作品のグッズとかを持っている。
大学生(20代女性)…… 近所の大学に通う大学生。基本的に努力すれば叶うと思っているいいとこのお嬢さん。
常連バカップル(声だけ)……お店の常連同士で付き合い始めた。付き合って3か月記念をするためにお店にやってくる。
第一場
大学生はコーヒーカップを持って板付き。店員が出てきて、コーヒーカップを片づける。そこで、カウベルが鳴って占い師が入ってくる。
店員 いらっしゃいませ。
占い師 どうも。奥座るね。(大学生をちらっと見て興味なさそうにカウンターの奥に座る)
店員 いつものでよろしいですか。
占い師 うん。マスターに言わないでね。
店員 わかってます。私も怒られるんで。
店員コーヒーカップをもって裏にはける。そこにカウベルがなって、小説家が入ってくる。
占い師 あ。
小説家 (ちらっと見て、会釈だかなんだかよくわからないものをして無言で一番端のカウンターに座ってノートパソコンを開いて無駄にちょっと資料みたいなものも置く)
占い師 よく会うね。
小説家 そうですね。
占い師 占ってあげようか。
小説家 結構です。
占い師 (聞いてない感じで、ごそごそと物を出し)手相、タロット、水晶、最近はトランプとかウノとかも。
小説家 後半のただのゲームでしょう。
占い師 まぁね。やる?
小説家 結構です。仕事あるので。
占い師 ゲームで息抜きした方が書けるかもよ。
小説家 放っといてください。
そこにカウベルが騒がしく鳴って、強盗が入ってくる。
強盗 (何か唐辛子パウダーとかの感じのやる気のない催涙スプレーを出し)動くな。強盗だ。
オープニング音楽入る。音楽に合わせて無声演技で大学生がびっくりして逃げる。小説家と占い師はびっくり、くらいな感じでとりあえずおとなしくしておいて上手の方に三人で移動。宝石を要求するが、水晶玉を出されて切れる強盗。店員がクリームソーダをもって出てくる。強盗が店員の方に向かう。その隙に占い師、小説家、大学生がダッシュで逃げようとするけどばれる。みんなで責任を押し付けあう。曲にもよるが最後に軽くダンスをしても良い。
第2場
入口付近に立つ強盗。最初と同じ位置に座っているほかの三人。
占い師 さっきから言ってるけどここ喫茶店なんで
小説家 そうです。金目のものとかないんです。
占い師 っていうか普通入るとこ間違えるかなー。
強盗 うるさい。こっちだって初めてで緊張してるんだ!
小説家 まぁ、初めてであってほしいですよね。
大学生 お二人ともあんまりそういうことばかり言わない方が……
占い師 だって強盗入る先間違えたとか突っ込まずにはいられないでしょ。
小説家 上の宝石店が目当てならそっち行ってくださいよ。仕事の邪魔ですから。
強盗 お前ら俺が出ていったら通報するだろ?
小説家 しません。めんどくさいんで。
占い師 私もしないよ。警察とか嫌いだから。
強盗 それも一般市民としてどうなんだ。(大学生の方を見て)お前は?
大学生 えっと。
強盗 こいつはするな。あと、お前もするだろ。
店員 いえ、私はしません。
強盗 いや、お前はしろよ。
占い師 それはそう。
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