(は)こぶね
『(は)こぶね』
【登場人物】
衛藤(えとう) 寮生(高1)。周囲に内緒で「バ美活」をしている。
堀ノ内(ほりのうち) 寮生(高2)。水泳と受験勉強に打ちこむ。
早川(はやかわ) 寮生(高1)。山奥の村出身。
六浦(むつうら) 寮生(高1)。毎日釣りをしている。
根岸(ねぎし) 寮生(高2)。なにかと忙しい副寮長。
片瀬(かたせ) 寮のスタッフ(30代・久重町出身)。
黒衣……最低4名(早川・六浦・根岸・片瀬のうち、当該シーンに登場しない人物と兼役が可能)。ひとつの「」につき1名の台詞。台詞や出番の割り振りに指定はないので、可能な範囲で自由に設定してください。
【舞台設定】
某県にある架空の離島・久重島(くしげじま)。
過疎化・高齢化が進んでおり、島唯一の高校である久重高校も生徒数が減少。5年前より、地域ぐるみの教育改革に着手するとともに、全国からの生徒募集を開始した。
現在、全校生徒約90人のうち、2割が島外から進学した生徒。彼らは全員親元を離れ、学校近くの生徒寮(男子寮・女子寮)で共同生活を送っている。
舞台は、そんな久重高校 男子生徒寮の一室。衛藤と堀ノ内の部屋(相部屋)。
※★の台詞は、台詞の入りのタイミングが同じ。主に同時進行の掛け合いを進めるためのものなので、厳密にそろえる必要はありません。
※()内は読まないでください。
幕
0.「ノア」
照明の落ちた、真っ暗な状態の舞台。
ボイスチェンジャーを通して加工された、かわいらしい少女の(ように聞こえる)声が響く。
声 「……おし。みんな、聞こえてる? やほのあ~! お待ちかねの定期集会、始めるよ! 今週も元気だった? こっちは相変わらずクソみたいな毎日だけど、ここでお前らと話してれば、私ももう少しだけ―――」
照明がつく。部屋の中、ヘッドセットをつけ、机に置いたPCの前で話す衛藤。
衛藤 ―――ちゃんと、やっていける気がするから。
音楽。
1.「衛藤の日常」
久重高校男子生徒寮の一室。衛藤と堀ノ内の相部屋。
(廊下は舞台袖または裏、客席からは見えない位置とする。)
それぞれ、机とベッド、衣服や私物の収納スペースがあるが、散らかり気味。(堀ノ内の方はモノの積み方にまだ規則性が見えるが、衛藤の側はとりあえず積んだようなカオス状態)
2021年9月、平日の午後。
衛藤の机の上は問題集とノートが広げてあり、その上にPCが置かれている。
そのPCに向かい、なにやら話している衛藤(サイレントで)。
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