この探偵、馬鹿につき。
登場人物
○探偵→男、探偵の衣装、パイプタバコを持っている。
この上ないほど馬鹿。身振りや話しぶりは探偵らしい。
○農家の男→男、主人公。ツッコミ。
○花屋の女→女、花などが入っているカゴを持っている。カゴにはブレスレットも入れる。
道端で花と一緒に幸運のブレスレットを売っている。事ある毎に何かを売りつけてくる。
○何でも屋の男→男、荒々しい見た目。
主に修理業者、最近始めたレンタル彼女が売れないのが悩み。死亡フラグを立てまくる。
○死体(役者)→不定、腹にナイフで刺されて血が染みているシャツ。
売れない役者。屋敷に集めた本人。苦手なことは演技。
○殺人鬼(?)→不定、ジェイソンのようなお面で顔を隠している。血まみれのエプロン、ノコギリ等を持っている。
男3 女1 不定2
合計6、5(殺人鬼を兼任も可)
舞台:古い洋館
小道具:探偵セット(服、帽子、パイプタバコ)、花屋のカゴ、ブレスレット、殺人鬼セット(お面、エプロン、ノコギリ等)、血まみれのナイフ
§舞台は古い洋館
中央に腹に血が滲んだ死体、死体を囲むように、上手側から農家、何でも屋、花屋、探偵
雷が落ちる音
死体にサス
シリアスで緊迫感のある雰囲気が漂う
怯えた様子の3人
花屋「ひっ、ひどいわ……」
何でも屋「死んでいるのか……?」
農家「一体、誰がこんなこと……」
明るくなる
花屋「な、何が起きてるの!?なんで死んでるわけ!?」
何でも屋「殺人、ってことか?死んでるんだよなあこいつ!?」
農家「た、探偵さん!どうにかしてください!!」
探偵、背を向けてタバコをふかす
何でも屋「おい、聞いてんのかよ!」
探偵、振り返る
探偵「まあまあ、落ち着いて。焦らなくても、この人は死んでます。」
農家「うっ……」
花屋「なんでなの、なんでこんなことが起きてるの……もう嫌っ!」
探偵「まあお嬢さん、怯えなくても大丈夫ですよ。だってこの私が来たんですから」
農家「僕達、急にこんなことが起こって、わけが分からなくて…」
探偵「そうですね...。じゃあ、まず状況を整理しましょう。
ここは、山奥にある大きな古い洋館。ここにこの無惨にも死んでいる男によって集められたのが皆さん。」
農家「そ、そうなんです。この人は役者なんです。全然、売れてないけど。僕ら、みんな今日が初対面ですが、この役者のファンなんです。それで、いつもこの人の芝居を見に行っていて…」
何でも屋「というか、いつも芝居見てくれてるやつはこの3人だけだけどな。売れてないから。そして、こいつが『いつも応援してくれるファンの皆様を特別に、私の屋敷に招待します』って招待状を寄越したんだ。」
花屋「この役者さん、全然売れてないから、お情けで行ってあげたの。そして豪華なディナーを楽しんで、一息ついたあと、役者さんがいないことに気がついたの。そして、この部屋に来てみると...役者さんが……」
探偵、一息吐く
探偵「事情は分かりました。そして、とても大切なことも、分かりました。」
農家「何がわかったんですか?」
探偵「(タバコを吐く)...この役者は売れてない!!」
農家「あ、そうです。全然売れてないんです。」
花屋「役者なのに演技が苦手なんです。」
何でも屋「びっくりするくらい売れてねえよな。」
3人頷く
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