鶴姫伝説
.鶴姫伝説
ミュージカル 鶴姫伝説

         はりとら稿
         脚本:山上祐輝
.登場人物
登場人物

○鶴姫(鶴千代)/

○千楠丸(ナレーター)/

○鶴千代・千楠丸の父親/

○後堀河天皇/

○皇后/

○菊姫/

○山賊たち/

○町人たち/

○役人たち/
.1場 鶴姫の旅立ち
1場 鶴姫の旅立ち


音楽。千楠丸、鶴千代、出てくる。

千楠丸「時は1223年。紀伊の国、鞆渕には、とても仲の良い兄弟がいた。とても聡明な兄、千楠丸。そして、とても美しい妹、鶴千代。二人は、下司、荘園の取りまとめをする家の子どもとして、とても厳しく育てられていた。しかし、それでも二人は共に助け合い、そして支えあって生きていた。」

鶴千代「(千楠丸の手を取り)千楠丸。私たち、ずっと一緒に、この大好きな鞆渕で、暮らしていこうね。」
千楠丸「鶴千代。もちろんだよ。」

そこに、父親がやってくる。手には枕。
二人の仲を裂く。

父親「この下司の家には、頭のよくないものはいらん!鶴千代、文字も書けない、計算もできない。お前はこの家にふさわしい人間ではない!」
千楠丸「父さん!やめて!鶴千代は勉強できなくても、とてもいい子なんだ!」
父親「うるさい!鶴千代!この家から、出ていけ!」

父親、枕を鶴千代に投げる。
鶴千代に当たった枕は、二つに割れる。
鶴千代、枕の片方を持って、泣きながら出ていく。

千楠丸「鶴千代!待って!」

暗転
千楠丸、父親、はける。

鶴千代、ボロボロになりながら出てくる。手には枕。
スポット。
雑踏の音。そこは都。

鶴千代「もう、あの自然の美しい、千楠丸のいる鞆渕には、帰れない。・・・あれからもう何日たったんだろう。歩き続けて食べ物も、飲み物もない。・・・ようやく都の方へと来てみたけれど、ここなら何とかなるかと思ったけど・・・。もう、疲れて歩けやしない。・・・(枕を見て)千楠丸。」

○鶴千代の歌。故郷への想い。自然への想い。千楠丸への想いをバラードで歌う。

1/5

面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種 Windows Macintosh E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。

ホーム