うちの部の事情
(登場人物)
①西野 生徒会長 常に冷静。高橋と友達。
②高橋 部長 何事にも全力で暑苦しい。
③田丸 副部長 頭脳派っぽい雰囲気。
④根本 部員 真面目で優しい。
⑤山下 部員 語尾が「〜っす。」陽キャ。
   
   
(小道具)
封筒・隠し撮りされた写真。
学年ごとに制服のネクタイの色を変える。
(西野、高橋、田丸が先輩の学年。根本、山下が後輩)
ホワイトボード(マグネットつき)
生徒会長が座る用の椅子一脚。
     

場面→放課後
S.E チャイムの音。部活動をしている音や声もあると雰囲気が出るかも。
               
高橋が出てきて、舞台中央で足を止める。ポケットに手をつっこみ、何か悩んでいる様子。そこへ西野が駆け足でやってくる。
                
西野「高橋!ごめん、遅くなった!」
高橋「おう、西野。」
     
高橋 片手を挙げる。
     
高橋「生徒会長の仕事が大変なのに、呼び出して悪かったな。」
西野「そんなこと気にするなって。友達だろ?(高橋の肩をポンっと叩く)それに、部長をやっているお前の方が忙しいと思うよ。」
高橋「(戸惑いながら)ああ、まあ…それなりかな。」
西野「え、どうした?暗い顔なんて、らしくないけど。」
高橋「その….えっと…。」
西野「…高橋?」
高橋「ーーあのさ、西野。」
西野「うん。」  
高橋「今日ここに呼んだのは、お前だけに極秘で相談したいことがあるからなんだ。」
西野「極秘って…。」
高橋「だから今から打ち明ける内容を、絶対に絶対に他のやつに漏らさないって誓ってくれるか。」
西野「(察したように)ーーわかった、絶対に誰にも言わない。」
高橋「ありがとう。……実はな、うちの部で…。」
  
なかなか言い出せない高橋。
  
西野「……もしかして、いじめがあったとか?」
高橋「違う。もっと深刻なことなんだ。」
西野「もっと?!」 
高橋「しー!!声がデカい!」
              
高橋 西野に顔を近づける。
               
西野「お前は顔が近い!」
     
西野 高橋を押し返す。
    
高橋「ごめん!つい焦ってしまって!」
西野「ひとまず、一旦。一旦、冷静になろうぜ。」
高橋「ああ、そうだな。でも、俺、まだ信じられないんだ…。いや、信じたくないんだよ。部員があんなことをやっちまったなんて…。」 
西野「いったい何があったっていうんだよ。」
高橋「(ゆっくりと)『重大な規律違反』さ。」
西野「規律違反だと?そういうことは顧問にまず報告したほうが良いんじゃ…。」
高橋「もちろん、顧問には洗いざらい全部伝えた。だけど大人って卑怯だよな。お前たちでどうにかしろって…。どうせ責任を負いたくないからに決まってる。」
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