I m possible
I m possible:上演時間目安45分

《CAST》
役者二人、役名は特にない。二人とも大卒三年目の二十四、五歳ごろの女性を想定。年齢、性別は容易に変更可。

* ある芸術家(便宜上A)
* ある勤め人(便宜上B)

《場面設定、服装》
背景、椅子、テーブルは白
食器や花瓶など小道具は黒
机のバラの青のみが色として目立つように。
役者の衣装も黒が望ましいか。
食事や飲み物は実際には用意せず、あたかもあるかのように。客にないことが分かるほうがより良い。
本の表紙(願わくば中身も)ボトルなどのラベルは白紙。

冷蔵庫の開け閉めの音とか、出来る限り人が裏にはけているときの音響を入れてほしいが、
最低限はト書きに書き入れた。食器の音など省略も可能か。

STORY

《エピローグ、ないしプロローグ》

開幕前音楽フェードアウト、幕開き音楽(1)フェードイン、共に客席フェードoff。

※この場合ブザーがないので客が手元の準備ができるようゆっくり照明落としてほしい。

完全に照明が落ちた後、幕開き。

幕が開ききったら音楽ピタリと止まり、グラスとグラスの当たる音。
照明on。

食器など、テーブルの上。
二人、グラスを傾け飲んだあと。Bは更にグラスを傾ける。間。

A ぱっと出るわけじゃないんだね。
B これってどんぐらいかかるの?
A 5分もかからないはずなんだけど。
B ふぅん。なんか覚悟して飲んだのに拍子抜けすんね。
A 分かる……まぁ、そのうち眠くなるはずだし。(立ち上がって食器を片付けようとする)
B やめときなよ、途中で倒れたら最悪だよ。
A それもそっか。
B まだここまで届いてなかったりして。
A まさか。十時から結構経ったよ。

間。

B 上手く行くと思う?
A この後?
B うん。
A 私達が?それとも世界?
B うーん……
A まぁどっちにしろ無理でしょ、無理。思い上がりなんだって。所詮書き足したところでね。
B 氷の話?
A どっちでもいいけど。不可能を可能にするほうでも同じ。
B バランスってことでしょ。
A そ、バランス。出来ないんだよ。出来ないものは出来ない。
B でも、私もあんたも飲んじゃう。
A (笑う)点を入れればいける気がしちゃうんだよね。(一気にグラスをあおる)
B 分かってはいるんだけどね、こんなんさぁ、こんなん上手くいかないって。
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