あわてんぼうのサンタ見習い名推理?
.あわてんぼうのサンタ見習いとサンタ試験と名推理?
『あわてんぼうのサンタ見習いとサンタ試験と名推理?』
.あわてんぼうのサンタ見習いと試験と名推理?
登場人物
テル 見習いサンタ サンタ試験合格に向けて練習を積んでいる。
ココア 見習いトナカイ テルをサポートする新米トナカイ。どこか抜けている。
あねさん 先輩サンタ 気が強い先輩サンタ。テルを一人前にする役割を任せられている。
ねむむ 迷い込んだ子ども。
・・・・・・・
ねむむ、ぼんやりしながら歩く。
手にはプレゼント。
ねむむ、そのままどこかにいってしまう。
テル、下手から出てくる。サンタの格好をしている。
背中には白い袋をかけている。何か、探し回っている。
テル「(辺りを探し回っている)ない・・・ないよな。(袋の中を見て)やっぱり何度見てもない。」
ココアがクリスマスソングを歌いながら出てくる。
ココア「(テルに気づいて)テルサンタ!・・・どしたんですか?何か探し物ですか?」
テル「サンタみ・な・ら・い。一応ね。トナカイ見習いのココア君。」
ココア「テルサンタ見習い残念丸さん、探し物ですか?」
テル「それはちょっと言いすぎ。いや、実はたいしたものじゃないんだけど、今度のサンタ認定試験に使うプレゼントが見つからなくて。ま、大したことじゃない。」
ココア「サンタ認定試験って、今日ある大事な試験でしたっけ。」
テル「ああ。」
ココア「今回テルサンタ見習いは、この試験に通らなかったら見習い取り消しでただの子どもに戻りますよね。」
テル「ああ。」
ココア「で、この試験に使うプレゼントがない。」
テル「ああ、大したことない。」
ココア「そうですね、大したことないですね・・・。ってあるわー!!テルサンタ残念無念また来週どんまい見習い!」
テル「そんなに褒められても。」
ココア「誉めてないわ!!ええ、それすごい大事なやつじゃないですか!!いったいどこやったんですか?」
テル「知ってたら探してると思う?」
ココア「ですよねー、知ってたら見つけてますよねー。今探してますもんねー。ばかー!!っていうか!えええ、もう試験まで時間ないですよ。どうするんですか!」
テル「まあまあ、焦ると身体によくないよ、ココア君。ちょっと落ち着いて。」
ココア「テルサンタ見習いはもうちょっと焦ってください!あー、もう、私も手伝いますから、なんかちょっとでも思い出してください。何かないんですか?」
テル「ふむ。では今日の犯人の足取りを追うことにしよう。いいかね、ワトソン君。」
ココア「なんで急に探偵気取りなんですか。失くしたの自分じゃないですか。」
テル「犯人は、今日、目が覚め、枕元にプレゼントがあるのを確認し、着替えに向かった。」
ココア「っていうか、犯人なんですね。間違っちゃないですけど。で、じゃあ朝の時点ではあったんですね。」
テル「着替えが終わった後、犯人は気合を入れるために散歩に出かけた。」
ココア「その時、もしかしてプレゼントを持って出たりとかしてないですよね。」
テル「もちろん、失くしてはいけないから持って出たよ。」
ココア「不安しかないです。」
テル「散歩にいって、通りすがりに見慣れない子がいるなーって見て、で、少し汗かこうと思って走って。」
ココア「そり移動ですよ。多分。」
テル「で、帰ってきて、勉強をしながらうたた寝をして、起きたら試験ギリギリなのに気づいて、慌てて飛び出してきたら、プレゼントがないのをこの試験会場で気づいた、というのが、犯人の一連の行動になる。で、ワトソン君。どうかね。何かつかめたかね。」
ココア「テルサンタ見習いが残念丸なのに気づきました。」
テル「のんのん、犯人、ね。」
ココア「どっちでもいいですけど。えと、今の話だと、散歩に出た時か、家に置き忘れたかどっちかだと思うんですけど。家にはなかったんですか?」
テル「多分・・・なかったと思う。一応確認したし。一端家にも戻ったし。なかったから、多分。」
ココア「怪しい。けど、まあ今はいいです。じゃあ、散歩の時にどこかに置き忘れたと推理できます。」
テル「失敬な!私が置き忘れるような人間だと。」
ココア「残念丸。」
テル「ま、まあそこは認める。」
ココア「散歩ルートは見たんですか?」
テル「試験会場までのルートだから、家からここまでの道。探しながら来たけどなかったんだよね。」
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