Nホームアパート営業地獄の黙示録
アパート建築のNホーム~地獄の就労録~
彼は、宮本和真36歳。妻(36)と子(6)が居るが、突然会社がつぶれてしまった。時は2008年。リーマンショックのさなか、就職するのは容易ではない。面接に行くがなかなか就職できずにいるさなか、とあるコンビニで宮本が求人雑誌を見ると、こんな見出しが
「未経験可!やる気次第で昇給!初任給27万8000円。」
特段資格もない宮本にとって魅力的な給料だった。ただこの不況真っ只中、こんな良い話が有るわけはない。そんな風に思うのも裏腹に、宮本はこの求人にのっているNホームに履歴書を送付する。
宮本「全く、もう失業して6ヶ月か・・・厳しいよな。」
里恵(宮本の妻)「焦らないで。私も何とかパートでしのぐから。焦って変なとこに就職したら余計だめだから」
宮本「もうこれ以上、職歴欄に転職歴増やすわけにもいかないしな。」
里恵「ねぇ?次に面接行くところ初任給27万とかだっけ?」
宮本「あぁ。うん。良いだろ?」
里恵「なんか何でこんな不況の中、こんなに給料良いんだろ?」
宮本「営業職って書いてあるし、やっぱきついんじゃないかな。初めは休みなんて取れないだろうね。きっと。」
里恵「あんまり変なとこだったら、断るもの手だよ?」
宮本「もうそんな贅沢も言ってられないよ。明日は面接だし、気合入れていくからさ」
Nホーム。CMもばんばんやっているアパート建築会社の最大手である。明るい感じでタレントが「NホームNホーム。夢のアパート経営のNホーム♪」と言うCMが流れている為、世間一般のイメージは悪くない。ただそれは上辺だけの物で、中に何と恐ろしいことが含まれているか今の宮本は知る由もない
面接会場
宮本「初めまして!宮本和真です」
面接官「うーん、宮本和真さんですね。」
宮本「はい!」
面接官「まぁね。うちって結構入ったりやめたりが多いからさ・・・うちの会社の仕事って理解してる?」
宮本「はい!アパ―と建築の営業と聞いております!」
面接官「どういうとこ廻るか分かってる?」
宮本「はぁ・・・えぇっと・・・」
面接官「土地持ちの地主を回るわけ。それも朝から晩まで。それで地主にアパート建てさせるわけね。仕事取って来れなかったら会社に居づらくなるから。だから出入りが激しいわけね。宮本さん耐えられる?」
宮本「はい!!!そのつもりで来ました!!」
面接官「あぁ。そう・・・それと多分まともに休み取れないからうちは。」
宮本「は・・はぁ」
面接官「一応36協定とか、労働法とかね。そういうのうちは関係ないから。」
宮本「・・・・」
面接官「それでも頑張れる?」
宮本「はい!!!頑張ります!!!!」
1/14
面白いと思ったら、続きは全文ダウンロードで!
御利用機種
Windows
Macintosh
E-mail
E-mail送付希望の方は、アドレス御記入ください。